ただ進めば至る(18) 丹後ウルトラマラソン
2011年9月19日
夜中の2時に起きて身支度と荷物の最終チェックをし、2時半にはホテルを出ました。会場につくと真夜中なのにそこだけは眩しいくらいに明るく、すでにたくさんの選手が集まっていました。
今回のスターターは徳光さん。スタートのセレモニーでずーーとしゃべっていました。
内容は・・・すいません。ほとんど聞いてません。定刻になりいよいよスタートしました。選手は徳光さんとハイタッチしようとごったがえしなかなか前に向いてすすみません。4分後にようやくスタートラインをこえました。コースに出るとあたりはまっくら。スタッフが車でところどころコースを照らしてくれてました。スタートしてすぐ感じたのは「足が重い」ということ。
キロ7分のペースでゴールまで目指すつもりでしたがそのペースが出ないなって思ってる頃に、まず最初の難関である七竜峠越えに入りました。うっすらと夜があけてきた頃です。ここで心配していた右膝が痛みはじめました。下りにはその影響なのか腰も痛くなりました。
じわじわと傷みが増してきて走るのがつらくなってきました。フォームを変えてみたり、ピッチをかえてみたり、いろいろ試してみますが傷みは変わりません。
一回目のエイドはスルーしたのですが、気温があがってきたので給水はたっぷりとりました。給水にある梨はとても美味しかったです。
平地にはいってペースをあげなきゃ!と思うんですが、足が出ない。ペースは上がりません。27キロ。出来たら飲みたくなかったロキソニンを仕方なく飲みました。コースはとても綺麗な風景の中を進みます。
やっと、やっと、やっと第1関門に到着。
閉鎖3分前(><;
しびれました。でも、やばいのは次の関門。あと26キロに与えられた時間は3時間35分。このペースではギリギリです。また去年の四万十川ウルトラの後半と同じ、「止まれない」状況になってしまいました。
ここからは止まれない止まるのが一番のロス。遅くていいから走ろう。そう心に決めて関門を出ました。第1関門を出てまもなく二つ目の難関、七竜峠越えパート2があります。朝に通った峠を逆方向から越えていきます。その頃、日が差してきてとても暑くなりました。帽子の下にバンダナをはさんで日よけにしましたが、それでも頬にあたる日差しが肌に刺すような感じでした。
とても綺麗なところです。
しかし・・きつい(><;
上りではもう走れませんでした。下りでもペースをあげられないので歩いた分だけロスになってます。やばい!そう思うのですがどうにもなりませんでした。
峠をこえて関門まであと15キロ。封鎖まで2時間。「通過できたとしても1分前とかそういうレベルかぁ。時計が1分狂ってたらアウトやな」てなことを考えながら走りました。
そして関門5キロ手前の「あじわいの郷」の給水所。正直な話、ここに関門があるとてっきり思い込んでしまったんです。まわりに何もないとこにある大きな施設で人もいっぱいいるし、そういう雰囲気を感じる場所なんです。「なんや、近いやん!楽勝で間に合ったやん!」と、嬉しくなって入り口の坂を歩きにかえてのぼってたら、四国中央市から参加のFさんが坂をおりてきて「関門やばいよ!一緒にいこか?そこの信号で待っとこか?」って言ってくれました。
マジ?ここ関門ちゃうんや(><;
「いえ、先にいってください!」と言って別れました。給水所では誰かがつぶやいてました。「あと5キロ。いそがないかん!」
うぅ。。無理かも。。水一杯だけ飲み干してすぐ再スタート。
そこから長い長い5キロでした。足は動くたびにつりそうでした。ふくらはぎ、ハムストリングス、内股、骨盤の横。頭の中は・・ここ頑張って通過しても、その次が無理やな、いやその前に65kmからの登山が出来そうにないわ・・苦しい。
はよ開放してほしい。頑張って練習したけど、まだまだそんな実力じゃなかったか・・。ここで歩いたら楽になるな。。。
くそっ、走れない・・じわっと目頭が熱くなりました。あと1キロ。残り5分。無情にも信号で係りの女性に止められました。女性は申し訳なさそーな顔してました。たぶんわかってるんでしょうね。きっと無理だろうと。1分経過。
青信号。
「ダッシュしたら間にあうよ!」はっぱかけてくれました。
「ありがとう!」気持ちはダッシュだけど、まわりから見たらどう見てもジョギング。関門が遠くに見えてきて「頑張れ!」というマイクの声も聞こえてきます。
あきらめて歩いてる人を何人かパス。
あと少しというところで急に静かになりました。
あと2分足りませんでした。
あのFさんが関門の横で待ってくれてました。「おつかれさま。私もここでやめます。一緒にバスに乗って帰りましょう」Fさんは封鎖3分くらい前に通過できたらしいですが、とても次の登山は出来そうにないからって言ってました。
通過できなかった悔しさはこのときはありませんでした。むしろ「やっとおわった」という気持ちの方が強かったです。落ち着いたらきっと悔しくてたまらなくなるだろうけど、そのときはそんな気持ちでした。
チップを外すのに椅子に腰掛けようとしたら、足全体がつってしまいました。
(ラップ)
10km 1時間19分
20km 1時間17分
30km 1時間29分(第一関門)
40km 1時間26分
50km 1時間26分
06キロ 48分(第2関門)
初めて関門でリタイアバスに乗りました。バスの中はやばいくらいの汗臭さでしたが、そんなことはすぐ忘れてあっという間に眠ってしまいました。
丹後ウルトラは終わりました。
記録もなしです。いつかきっと完走メダルをもらいにやってくるぞ!と誓って会場を後にしました。
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