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システムエンジニアが「人事を尽くして天命を待つ」局面とは?

漫画『黒子のバスケ』で、「キセキの世代」っていうめっちゃバスケが上手いチームがあって、そのメンバーの一人、緑間くんね。この人、めちゃめちゃ遠い場所から3Pシュートを100%くらいの勢いで入れてくる、まあまさに漫画チックなキャラクターがいるんですよ。その緑間くんの座右の銘が「人事を尽くして天命を待つ」。いいですね。3Pシュートを投げるまでが「人事を尽くす」、投げてからシュートが決まるまでが「天命を待つ」。ステキです。ずば抜けた才能を持ちながら、人事を尽くすと言う謙虚さ、その上で裏打ちされた自信。天命を待つって言っても「まあ決めるけどね」くらいの気持ち。ステキだなぁと思うんですよ。

「人事を尽くして天命を待つ」の意味

で、改めてこの言葉の意味を確認してみましょう。

『人事を尽くして天命を待つ』とは『じんじをつくしててんめいをまつ』と読み、人間の能力で可能な限りの努力をしたら、あとは焦らず静かに結果を天の意思に任せる、という意味があります。
全力を尽くしたのであれば事の成否は人知を越えた天任せなのだから、「どんな結果になろうとも後悔はない」という心境を表す言葉としても使用されます。

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そうそう、これです。なんというかこの「いくら努力しても100%確実な未来なんて無いし」的な意味があり、好きなんですよね。

システムエンジニアが天命を待つもの

では、システムエンジニアが「人事を尽くして天命を待つ」ものって何でしょうね。僕が挙げるなら、それは「移行」です。システム移行ですね。移行計画を立てて臨む移行、カットオーバー。

綿密な移行計画を立てても、まあ予想外の事が起こるのが移行です。とどのつまりは一発モノですからね。移行テストとか移行リハーサルとか、まあいろんな準備をやるわけですけれど、移行自体はその時一回だけ。タイムリープでもしない限り、繰り返せないわけです。なので、品質を上げるにも限度があります。同じ移行作業だといっても、その時の環境や作業者が微妙に異なっていたりして、100%の品質を担保するのがなかなか難しい。

とはいえ、移行しない事には何のためにシステム作ってきたの?ってなるし、まあ全てのシステム開発に移行は付き物です。なのでどうするか。「人事を尽くす」わけですね。移行計画はもとより、システムテスト、結合テスト、単体テスト、詳細設計、基本設計、要件定義、構想。この移行のために、尽くしてきたこと、何でしたっけ?そもそもこのシステムって何だっけ?と振り返りながら迎えるのが、一発モノであるところの移行。正に「天命を待つ」でしかありません。

「移行」を楽しもう

そんなわけで、四の五の言っても待ったなし、もう腹をくくるしかないのが移行ですけども、これを楽しめるかどうかが、システムエンジニア稼業を楽しめるかどうか、のポイントだと思うですよね。え、僕ですか?僕は楽しんでますよ。だってドキドキするじゃないですか。どんなシステムの移行でも、毎度毎度、大なり小なり新鮮だし、退屈することが無いですからね。成功しても失敗しても、新しい体験が得られるし、その得るものも多いですからね。

というわけで、移行が面倒だな~とか思ったら、「人事を尽くして天命を待つ」とかいう言葉を思い出して、気持ちを新たにするのがオススメですよ。

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