そして、TNQZへ……

はじめに
 MYOGをはじめて間もなく三年が経ちます。make your own gearの頭文字をとったもので、休日の趣味であったり、小さなビジネスであったりします。私の場合は後者に近く、他に収入がありません。つまり、お金をかせぐことを第一に考えてきました。
 ものをつくり、それを売るのは本当に難しいです。私は登山用のリュック、ポーチなどをつくっているのですが、家庭科の授業で習ったきり、なにも知りません。そんな人間がどうやってミシンを学んだのか、リュックづくりを覚えたのか。それをしたためるのも一興かも知れません。
 ただ今回伝えたいのはMYOGerとして感じてきた負の感情、怒りや苛立ちなどです。ほんとうは、じぶんなりのものづくりの楽しさ、商品の特徴などを語れたらよかったのですが……。
 

メルカソ
 
メル〓リのことです。ここで商品を売っています。このサービスをご利用の向きも少なくなかろうと存じます。俗にいうフリマサイトは同工異曲です。手数料とユーザの数くらいしかちがいはないです。そして、ユーザの質はどこも悪いです。旧Twitterの黎明期、ネラーはバカッターと揶揄しましたが、メルカラーからはそれに近いバカさが漂います。
 以下に具体例を挙げます。

送料はいくらですか?
 リュックの購入を検討しているかたでした。直接の取引をご希望で、なぜかというと手数料ぶん安く買いたいとのこと。しつこいので、送料は負担してしてもらうということで折れました。そして、XのDMでやりとりしましょうという運びになりました。私は名前を名乗り、住所、電話番号、メールアドレスを添え、先方に個人情報をお教えくださいと申し上げました。返ってきたのが「送料はいくらですか?」との一文。
 もうこの人とはかかわりあいたくないなと思いました。利用しているサービスにはブロック機能があります。ブラックリストみたいなもので、特定のユーザからの購入を防止することができます。ありがたい機能です。

500円のポーチをつくってほしい
 生地はなるべく無駄にならないよう配慮しています。端切れがたまると、ミニポーチをつくることがあります。安価に出品していますので、ものの数分で売れてしまいます。この500円のポーチだけをハントする常連もいます。心のうちで、彼らを眠れる獅子と呼んでいます。
 さておき、ご想像の通りこの貧民ポーチをつくってほしいという獅子がいます。彼らはハントする側なので強気です。
 私は次のように説明しました。「端切れでつくっておりますので、いつも用意できるものではありません。また、500円で販売できるのはまとめてつくっているからなんです。ひとつひとつご要望に応じてというのはできません」
 獅子は叫びました。「ぼくは! 500円だからほしいんじゃなくて! この大きさが! ちょうどいいので! だから! ほしいんです!」
 光の速さでブロックしました。

ぴえん
 メルカソだけでなく、Xでもフォローしてくださっている御仁もいます。ただ、MYOGerとしてのワシをフォローしている人の5割は頭がおかしい。あくまで体感ですが。とくにキャンパーとかハイカーを名乗っている人にはうんざりしています。もちろん、すごくマナーが良く、応援してくれているかたもいらっしゃいます。そうしたトンカチスタには、いつも心のうちで、声をかぎりに「ありがとう!」と叫んでいます。
 さて、ある柄のポーチが存外ウケて、出品即完売してしまいました。で、Xを見たらDMがきてました。その冒頭が「ぴえん」。内容はご想像どおりで、ほしかったのに買えなかった。このケースはXはミュート、メルカソはブロックだったかな。「ぴえん」とかありえんやろw

娘の運動会に大好きな緑色の巾着にお菓子を入れて持っていってあげたい。ただしヒモは赤で
 まあ、見出しのとおりなんですけど、娘さんのために買いたいとの旨をDMでつらつらと書き連ねてよこしてきました。これはTNQZポイントなんですが、長い文章は読みたくないです。矢川澄子さんくらいじょうずな日本語ならいくらでも読みますが。長いという、ただそれ一点で私は心底イライラします。裏をかえせば、怒らせたかったら長文。ということですね。
 こいつは、「わかった、つくる」と告げると、「ヒモは赤でお願いします!」。あつかましいにも限度がある、ということでXはブロ解、メルカソブロック。

諦めることに慣れておく
 
「学生なのでお金がないが、若いうちからよい道具にふれていたい。安くなりませんか」とのコメントに対して。まず、媚びが漂う主張で気持ち悪い。私はその学生さんに次の如く応じました。「これからの人生で本当にほしいけど手に入らないものは山ほどあると思います。いまのうちから諦めることに慣れておいてください」と。誰ウマw

つまり
 
要するに、ひとりひとり個別に相手をしてたらキリがないでしょってこと。過半であるマナーのよい人は黙って買ってくれます。冒頭にて申しました通り、私はお金をかせぐ目的でやってます。なので、それを妨害する人はブロックします。そして、絶対にブロックの解除はしません。


MYOGerの気もち
 
もう二度とやらないんですが、パックのオーダーを受けていた時期がありました。ご想像のとおり、どいつもこいつも勝手なことをいうんですよね。これも上述同様に具体例を並べてもよいんですが、もう文章書くのも飽きたので簡単にまとめて終わりにします。
 「サイドポケットの高さを5センチ高くしてほしい。そのぶん生地を余計につかうかと思うんで500円ぐらい? 払いますよ?」というそのバカの要望。
 私は4,000円だと返しました。理由はコードを通すためのタブの位置を変更しなければならないから。もうひとつが、生地がたくさん重なってしまう部分ができる(厚すぎてちゃんとに縫えない。強度がさがる)ので、調整しないといけないから。ただ、長く切って縫えばいいという問題ではないんですね。
 もし、あなたがミシンをあつかうことができるんだったら、私のようなかけだしのMYOGerに教えてあげるのもよいのかも知れません。そうではないのなら、口は慎むべきです。
 私は余裕でブロックしますが、お客さんが望むならと、やりたくないカスタムを受けてしまっている同業者を思うと胸が痛いです。みんなミリ単位で格闘しています。


おわりに
 
ブロックするかはかなり悩んでます。私のつくった商品を買ってくれたかたは特に。その商品を見るたび嫌な気もちになりますよね。その点については、複雑な心境ではあります。それでも、じぶんの人生と比べたら他人はどうでもいいかなとも思います。解除は絶対にしません。
 末尾になりましたが、TNQZは四月末日をもって幕を下ろします。ご愛顧ありがとうございました。


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