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記号と感覚

「赤と青/あなたと私の差異について/言葉と感覚」

いただいた、ブログを見て、まずは驚いてしまった。
なぜかと言えば、一番最初に書こうとして、やめてしまった話題が赤信号の色の話だったからだ。だから、あなたの文章が信号の青色の話から始まった時は、思わず、可笑しくなってしまった。
前回、私が書きだした文章は、ざっとこんな感じで…。

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子供の頃、横断歩道に立つたび、赤信号の赤色は、皆も同じ赤色に見えているのだろうか?と疑っていた。ワタシが、赤だと認識している色は、他のみんなには青色や別の色に見えているのかもしれない。
ワタシが認識する人の肌色は、皆には青緑色に見えているかもしれない。

そして、それは、個人の感覚なので、決して誰も互いに確認することはできず、ただ「赤」という言葉を共通の認識(記号)として人は理解しあえるのだと思った。
それは、感触であれ、味覚であれ。例え数値として、表せるものであっても、それが脳の中でどういうフィルタを経て、どう認識しているかなんて、当人だけのものでしかないのだ。

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この文章は、その先に、人はモノそのものではなく、その受け取り方の偏りで世界を捉えている。という話になって、だからブログを交わすことによって、個々の「受け取り方」の偏りの差異を、観測できたら、より二人にとって世界は広くなるだろう…みたいな文章に続くはずだったのだが…、大変眠気を誘う文章になりそうだったので却下になったのである。まさか2回目にして、拾い上げられるとは想像だにしていなかった。

(※この個々の人の視覚、触覚、認識の差は理解しあえないのではないか?というイメージを、小学校に入ってから、手塚治虫が、火の鳥未来復活編(外部リンク)で「事故でサイボーグ化した人間は、生身の人間が歪で、ロボットを美しく感じる」という物語で表現しているのを見て「この感覚を漫画にするのか」と衝撃を受けたことを追記しておきます。)

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そして私も親に、青信号を「青」と呼ぶ理由を聞いたことがあります。
親にとってはあれは当然「青」であり、そこに不思議はなかったようで、
今は理解できるのです。あの頃は青の範囲がもう少し広かったのでしょう。
アオモノ野菜、青竹、青りんご、青葉、青汁…
そして、定着した言葉は、そのまま見た目を越えて印象になるのだ。

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あなたと私の差異について

リフレクション【reflection】について
① 反射。反映。
② 内省。熟考。
とあなたは意味をつま弾いてくれて。

その言葉を読んで、今の私の感覚では、あなたは①に近く、私は②に近いと感じたのです。
あなたは、多くを見、聞き、そして、それを受け入れて深く考える。
私は、なにか、一つの事象に反応し、深く想像する。見に行っていない土地を想像する。
日々、積極的に多くのインプットを行い、解釈するあなたのエネルギーを尊敬する。

そして、今の私の浅はかな解釈は、往々にして、砕け散り、後で笑い話になることも知っている。多くを語り合う、その日々の積み重ねを楽しみにしてます。

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少しだけ言葉について。
言葉とは、情報ではなく、感情のやり取りだ、とツイッターで誰かが呟いていて、(…発見した)

その言葉に、私は結局、言葉を組み立てるのは、自分の感情なので、情報というのは、相手の感情ではなく、自分の中でどう受け取り、どういう情報を組み立てて、そこに自分の感情をどう乗せるのかという事だと思ったのだ。

赤信号の「赤」は自分の中での認識の色でしかないように、
友情も、愛情も、抱き合う喜びも、理知も、悲しみの共感も、言葉にならない嫌悪感も。ただ、そこに横たわる事象や情報にどう、自分の感情を乗せているかに過ぎないと思っている。ツイッターのTLように、多くの人が、同じ話題、同じ時間を共有しても、人は孤独なのだと思っている。人は独りで生まれ、一人で去る。

ただ、普段思っていても決して、表に出てくるはずもない言葉が、
こうやって、この感覚はいかがなものか?と、誰かに尋ねることができることが、すこし不思議な経験だと感じる。。

フェイスブックに言葉を書くときは、自己完結だし、Twitterに書く言葉は直感だ。誰かに宛てる自分らしい文章というものが、これほどまとまらないとは。未だに新鮮な感覚なのです。
まだまだ、書きたい返信は、(本の話とか)いくらでもあるのですが、
今回はこのあたりで。

良い機会をありがとう。これからもよろしくお願いします。

追伸1:何度かに分けて書いたのだが、どうしても語尾がまとまらないので、素のまま送ります。

蛇足:
青の話。日本の古来からの4原色は「赤」「青」「黒」「白」で形容詞で語尾に「い」がつく。語源は「明るい」「淡い」「暗い」「白い」と言われている。
(平安時代など新しい時代の色の言葉は語尾に「色」がついて名詞になります。ex.黄色、紫色、茶色)。
青にまつわる漢字が、蒼、藍、碧、と様々にあって、それぞれ色味は違うのにすべて「あお」と呼ぶのが好きだ。
また、印刷インク(CMYK)でもシアンは全て青色、そこにイエローや、マゼンタを混ぜても、ある程度の場所まで、青(紺)と呼べることに、青の範囲の広さを感じるのです。

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