多和田葉子さんの「献灯使」を読みました

もちろん面白くて面白くて、久々に心が躍るような時を過ごしました。読んでいるうちに、作者さんの風貌とか、歳とか、そんな事を想像していました。

ご年配がテレビのニュースを見ながらぶつくさ世の中に文句を言っている事が、現実になったような世界だなと思いました。例えば今の若者は弱いとか、性別が分からないとか、パワハラセクハラ言い過ぎとか、インターネットは良くないとか。本の中では、外来語がなくなっていたり、鎖国していたり、おむつは木綿の布になっていたり。原発とか、化学物質とか、言葉狩りとかも。

そんな昼のニュース番組のコメンテーターがいかにも言いそうなちょっとした小言が全部詰まっている気がして、そこが本当に面白かったです。

やっぱりこういう敷居の高い本のエンディングは、あまり意味が分からなくて、ネットに何か載っていないかと思って探しました。とりあえずWikipedia を見たら、作者の多和田葉子さんは学歴や受賞歴が沢山あって、ああ、なるほどなと思いました。

この本を読むきっかけになったロバートキャンベルさんは自身のYouTubeチャンネルで、この多和田葉子さんを、今一番ノーベル文学賞に近いのではないか、とおっしゃっていました。それもそのはずで、たくさんの言語に翻訳され、国際的な評価も受けているし、何よりドイツのベルリンに長くお住まいのことでした。

うーん。もっと作品を読んでみようと思いますが、なんだか心がモヤっとするのは何故だろう。



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