都都逸

ちょっとした趣味で作った都都逸とその解説(蛇足)を何個か挙げておきます.定期的に更新すると思います.


2021-12-18(土) 更新分

歌を歌えば 笑いが起きる 夜に歩んだ 広い道

解説:自分の大学時代の思い出.日が変わって太陽が出るまで飲んで歌って,ボロボロになりながら大学のメインストリートを理由もなく爆笑しながら歩いて帰った日々を思い出す.

思い知るべし あの日の僕ら 去ろう毎日 まだみぬ日

解説:これも大学時代の自分を思い出して書いた.卒業して年年も経つけれど,あんなに楽しかった日々この先あるだろうか.楽しかった日々はもう過ぎ去ってしまった,もう二度と会えないかもしれない,でも思い出は残っている.

たまに合わせば 時間に遅れ 着いたお前も なぜ笑う

解説:これは卒業した友人と待ち合わせをした時のやつ.たまに約束した貴重な機会だというのにお前は平然と遅刻してくる.それを悪びれもせず大笑いしながら.お前のそういうところホント良くないと思う.だけどまあ,変わんないな.

寿司に焼肉 寄せ鍋カレー ヤサイマシマシ オムライス

解説:二次創作のssのために書いたやつ.助詞の「に」意外全部食べ物.たくさん食べる子いいよね.いいよ.

奥の秋空 呼吸も遠く 紅葉追いしは 君の影

解説:秋を迎え,職場に向かうまでの道すがらに見上げた空と揺れた紅葉の木を見て思いついたやつ.昔の彼女を重ねてるので女々しいことこの上ない.

夜の電話は 理由なく続く 声が縮めた 遠い距離

解説:大学進学の際にかなり地元から離れたので,当時の彼女と電話で話していた.それだけでこっちは幸せだったけれど,向こうはそうではなかったみたいだ.話してくれれば,というのはやはり実際会ってみなきゃということなんだろうか.

愛を語ると あなたは言うが 紡ぐ言葉は 恋模様

解説:愛と恋は違うなって話.厳密にそこは区別していて,その言葉の内容もそうだし話し方だったり熱量だったりで全然別物なんだって.愛は偏在しているけど恋は局在しているよねってのが最終的な結論になる.

遠い音楽 奏でや奏で 届け振り向け あなただけ

解説:「遠い音楽」って曲があるんですが,それを聴きながら作った.あれは本当に名曲ですよ.

笑わんといて 泣きそな顔で うちの届かん 夜ばかり

解説:これは「やっぱ好きやねん」という曲を聴いて作ったやつ.なんか歌詞にこんなフレーズが直接あったようななかったような? でも関西弁で泣き言言うシチュエーションいいよねって感じ.

声も落ちゆく 雨のまにまに 「もしかしたら」と 振り返る

解説:これは六月に作ったやつ.雨の中最寄り駅付近をぶらぶら彷徨いていた時に亡くなった身内に似た声が聞こえてびっくりした.振り返っても声の主すらわからない.

朝露濡れる 夏の真ん中 蝉の唄より 響く声  

解説:これは高校時代のある日を思い出して作ったやつ.高校時代はそれなりに面白かったし,何より部活の仲間は最高だった.夏休みに,早くから学校に行って悪いことをする時の図.


以下の四つは自己体験から離れた創作上の男女のお話です(流石にこんなキザなことを言ったり思ったりはしない).

霜立つ灯り ぼんやり眺め 数字映りは 鮮やかに

解説:冬の札幌テレビ塔と札幌駅の電子時計の表示は少し見えづらい.数字ばかり鮮やかで,白い夜にお化けみたいに浮かんでいるから.

夢に浮かんだ 君の笑顔に やっと通じた 白い夜

解説:そんな夜,雪に耐えながらゆっくり歩いてるとスマホが振動した.なんだと思ったら本当になんだ? とりあえず電話に出たら「やったよ!」と.その横に俺はもういないしお前の人生と交わることはもうないんだけど,それでも連絡をくれたのはなんか嬉しかった.

蒼く囁く 冬付く月に 雪も氷も 口つぐむ

解説:厚い雲がようやく晴れて,月が夜にふてぶてしく座っている.なんか気の利いたことを言ってやろうとした.雪が降っていたはずだし地面は凍っているはずだけど,そんなことが気にならないくらい頭を回し続けた.結局,言葉はありきたりなフレーズだけしか出なかった.

「まだ切らないで」 願いはしても 何も言えない おやすみに

解説:そのままなんとなしに話をしながら歩く.家までついて,鍵を開けたところで「あ、外だった!? ごめんね急に」と.ああ,確かにお前はこうやって,意味のわからないきっかけで色々訳のわからない言葉を言っていたものだった.

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