【赤黒ヒューマノイド】ビートの人権を取り戻そう【デュエプレ】
真面目な記事は久しぶりになってしまいました、よろしくお願いします。
デュエプレ第16弾での勝太編開始後、【ビートダウン】は暗礁に乗り上げている。
・パワー8000未満のクリーチャーしか入っていないデッキはポン置きされただけでほぼ詰む《永遠のリュウセイ・カイザー》
・クリーチャー横並べを問答無用で否定する《リュウセイ・ホール》+《勝利のガイアール・カイザー》コンビ
など、汎用性の高いビートメタカードが続々と登場したためである。
そんな逆風が吹きすさぶ中、先日の第18弾実装によってまた新たな【ビートダウン】デッキが無邪気な産声を上げた。《黄金世代 鬼丸「爆」》を核に据えた【赤黒ヒューマノイド】である。
このデッキのコンセプトは至ってシンプルである。
コスト軽減持ちのヒューマノイドを出す
→進化クリーチャーを早めに出して殴る
以上。
「“機神装甲ヴァルボーグ”が活躍していた時とあまりかけ離れない使用感のデッキにしたい」という開発陣の思いが、カードテキストから滲み出ているのをひしひしと感じる。
しかし、そうした情を捨ててこのコンセプトを評価すると、あまりにも時代遅れと言わざるを得ない。
対面が5コストホール呪文で中型クリーチャーを立てるついでにアドバンテージ(ドロー、ブースト、火力除去など)を稼ぐ一方、こちらは進化元のクリーチャーを実質破棄するというディスアドバンテージを負いながらでないと中型クリーチャーを立てられないのである。
……というのが悲しい机上論であるが、このように極限までハードルを下げた上で【赤黒ヒューマノイド】を実戦で使ってみると、「思ったよりやれる」という感想を持った。
目標を低く設定することの大事さを説く好例と言えよう。
ここまで読んで「時代遅れ上等じゃねえか」という逆張り野郎気概に溢れる同志に向けて、本記事では、【赤黒ヒューマノイド】を使用してランクマッチの荒波にもみくちゃにされる過程で私が考えたことを脈絡なく放出する。
なお、体系化しない理由としては、SR以上のカードの枚数が少ない安さがウリのデッキゆえ、新弾実装直後の今が一番需要の大きい(相対比)時期だと思われるのでスピードを優先するためである(咄嗟にしては上手い言い訳ではないか?)。
また、一部は【赤黒ヒューマノイド】に限らず現在の【ビートダウン】一般に適用できることも含まれるため、記事タイトルの主語をデカくしてみた。「主語はなんぼデカくてもいいですからね」と古事記にも書いてあるからね。
デッキ構成について
私が現在使用しているデッキリストはこちら。
Twitterにてオチャッピィさんが公開してくださったリストが大いなる基盤となっており(新弾実装直後にも関わらず公開してくださりありがとうございます)、トリガー枠・超次元ゾーンなどを少しだけ調整した。
本来ならここで「これを使用してマスター到達しました!」とキメ顔で宣言したいところであるが、この記事を書く現在、プラチナ1の高すぎる壁に阻まれているため残念ながら未達である。
まあこの記事が1万いいねを獲得する頃にはNDレート1650くらいまで鼻歌を歌いながら行っている予定なので些事である(千里眼E−)。
前置きは以上で、本題のデッキ構成に関わる部分。
色バランスについて
ゼロから組んでみると一瞬で察するが、カードプール上圧倒的な黒不足である。
次善の策として多色の枚数を減らして黒単色に差し替えられれば、マナ置きの自由度が上がり実質的な色バランスの改善を見込めるものの、多色ヒューマノイド2種《ケンカボーグ》《マッスグ》は、(多色なので当然であるが)カードパワーが高く抜きづらい。
期待の黒単色デュエプレオリカ《オニガエシ》は性能的には文句の付け所がないが、序盤に引くと腐りやすいという弱点を抱えるため4積みに抵抗がある。
結果的に、渋々ではあるものの画像の現在の文明比が「マナ置きのプレイング(後述)でカバーできるギリギリのバランス」だと納得することにした。
トリガー枠について
このデッキは「自分が攻める時は強いが受けに回るとすこぶる弱い」性質が色濃く、いっそ割り切ってトリガー0枚にする発想も十分あり得る。しかし、私は主に対【速攻】を重く見てトリガーを4枚採用している。以下詳述。
デッキの指向性的には、このデッキは【速攻】にすこぶる弱い。単純に、自分の盾を守る手段が皆無のためである。このため、先攻1ターン目に1コストウィニーを出された瞬間に2枚以上の盾を割られる未来がほぼ確定し、テンポの差を埋めることは困難である。
しかし、この構造的な相性を1枚でひっくり返すカードが存在する。
《涙の終撃 オニナグリ》だ。
【速攻】相手に一度着地すれば毎ターンほぼ相手の場を更地にし続ける終末兵器と化し、SA多量展開による押し込み以外ではまず負けなくなる。
有力すぎる対抗手段がある以上、対【速攻】を切るのは機会損失が大きいと判断し、《オニナグリ》着地までの時間をかせぐトリガーを採用することにした。
・《オニガエシ》《オニウッカリ》の自己コスト軽減を邪魔したくない
・黒不足を解消したい
という2点から、黒のトリガー持ちクリーチャーを採用するのがベストであろう。
過去、似たような速度感のデッキである【青黒リバイバー】に採用されていたこともある《ザビ・デモナ》を採用することにした。
基本的な役割は向こうと同じで、主に「ブロッカーを立てて防御」「《サンダー・ティーガー》で2000火力+殴り返し」を状況に応じて使い分けることになる。
このデッキ特有の動きとしては、トリガー時に《キル》を出し、返しのターンに進化させて切り返しができる。
次元枠について
前述のとおり《ザビ・デモナ》を採用したが、その弊害として次元枠がギッチギチになってしまった。確定枠は以下だが、他はどうやっても「あちらを立てればこちらが立たず」状態に陥るので、趣味とメタ読みで替えると良いと思われる。
・《ザビ・デモナ》トリガー時に(ほぼほぼ)確実に一面止められるブロッカー《ザビ・ガンマン》or《プロト・ガイアール》
・《リバイブ・ホール》を実質SAにするための《勝利のガイアール・カイザー》
・終盤の押し込み用の《チャブル》×2 (1枚だと相手の《勝ガ》で対処されるため)
プレイングについて(全般)
《ヒバナ》の有効な場面を見極めよう
ハンターかつ(重要)エイリアンのコスト軽減能力を持つ《ヒバナ》は一見、どんな場面で出してもそれなりに有効に働いてくれそうな雰囲気を纏っている。
しかしこれはまやかしで、「ターン中最初に召喚する」クリーチャーにのみコスト軽減が乗るという効果の性質上、有効な場面は意外と限定的であり、
・2~4ターン目に《ヒバナ》を出す→進化クリーチャーを本来より1ターン早く場に出す
・2ターン目《ヒバナ》→3ターン目多色をマナチャージ+3コストクリーチャー出し
・2ターン目《ヒバナ》→3ターン目《ヒバナ》+2コストクリーチャーの2面展開
のほぼ3種類だけである。
《ヤッタレ・ピッピー》や《ピーチ・プリンセス》などと同じノリで「とりあえず出す」と計算が狂いがちなため、出す前に次のターン以降の動きをイメージすることが重要である。
また、マナが溜まるにつれ加速度的に出す価値が落ちていくので、中盤以降、選択肢がある場合は優先的にマナ埋めして良い。
1ターン目のマナ埋め
黒枚数がReal Face(ギリギリでいつも生きているの意)のため、「多色が1枚、その他は全部赤単色」という初手が頻発する。
この時、セオリー的には「黒単色を次ターン以降で引いてくる可能性を捨てず、初ターンは赤単色を埋める」という選択肢があるものの、このデッキに限っては以下の理由から、圧倒的に「初ターンから多色埋め」のほうが裏目は少ない。
・2ターン目と3ターン目はマナカーブ通りにクリーチャーを展開したい→《ヒバナ》の軽減がない場合は単色カードしか埋められない
・デッキ内の黒単色カードの内、《リバイブ・ホール》は呪文ゆえマナに埋めると《オニウッカリ》《オニガエシ》の自己コスト軽減を阻害するため、「マナに埋められる黒単色カード」にカウントすることは危険
刻むの?溜めるの?
このデッキは、システム効果(生き残ることで発揮される効果)であるコスト軽減持ちの進化元が多い。
そのため、「早いターンから軽量ヒューマノイドで盾を刻み、リーサルターンを早める」と「打点を並べて一気に殴る」のどちらの戦術をとるか、リスクとリターンの天秤が非常に難しいデッキである。
T・ブレイカーを持つ《鬼丸「爆」》のダメージ効率が最も良くなるのは単騎での3往復であるが、その場合、《プリンプリン》に止められてテンポをがっつり削がれると一転して不利な盤面になる。
《「爆」》のみにシールドブレイクを任せず、相手クリーチャーからの殴り返しが予見されない場面では小型ヒューマノイドで予め盾を刻んでおくと、後々《プリンプリン》で減速させられたときのリカバリーが効きやすい。
対【リュウセイ・ホール】基盤
2コストブースト+《ドン吸い》+《リュウセイ・ホール》のイツメンシータカラー基盤に、防御補完の光文明および実質エグゾディアこと《メンチ斬ルゾウ》をのっけた、通称【4Cメンチ】がランクマッチで現在流行している。
その他にも、汎用性の高いこの【リュウセイ・ホール】基盤に乗っかるデッキは数多く存在している(前弾で猛威を奮った【Nエクス】も言うまでもなくこの基盤だが、メタ対象の【MRC】減少などに伴い現時点では減少傾向)。
これらのデッキと【赤黒ヒューマノイド】のマッチアップでは対話がかなり発生し、奥深い。以下、【赤黒ヒューマノイド】視点から見た各種ケアの方法などを述べる。
《ホワグリ》で追加されたシールドすぐ割る?割らない?
全ビートダウン号泣の動き、《ホワイトグリーンホール》で《プリンプリン》出しで1体止め+手札から1枚シールド追加。
これをやられると、攻める側としては「もしあの追加シールドが《スパーク》だったらどうしよう」という疑念に悩まされることになる。
つい、「終盤に割って《スパーク》を発動されるよりは、盤面にクリーチャーが少ない早めのうちに割った方が致命傷を避けられる」という考えに取りつかれ真っ先に割るのが最善と思いがちである。
しかしこのプランには大いなる裏目があり、追加されたシールドが《ドン吸い》だった場合である。
この場合、バウンスによって次ターン以降のこちらの動きが阻害された上で、欲しいカードをピンポイントでサーチされて返しのターンの相手の動きがすこぶる強くなる。
したがって相手の追加シールドが《ドン吸い》と読むのであれば、一旦放置した後、リーサルターンに+1以上の打点を用意して殴るのが正着ということになる。
相手のマナ置きからシールドに埋められたカードの推測が困難な場合は、正直に言ってこの二択は博打である。
個人的には、「《ホワグリ》から《スパーク》埋めなんていう最強の動きをされたのなら負けでもしょうがない」と割り切り、追加シールドは《ドン吸い》であると仮定して殴りのプランを立てることが多い。
《リュウセイ・ホール》をモロに受けない
ここまで何度か触れてきたが、《リュウセイ・ホール》を適切に撃たれるとビートダウンは一瞬で致命傷を負う。
【赤黒ヒューマノイド】のデッキコンセプトに愚直に従って序盤にコスト軽減持ちのクリーチャーをポンポン並べていくと、《リュウセイ・ホール》にクリーンヒットを打たれてコールド負けは必至。以下のようにプレイングを工夫する必要がある。
・コスト軽減クリーチャーを温存し、先に《鬼ライダー モエル》を出す
→予めアドバンテージを得ておき、撃たれた時のテンポロスを避ける
・コスト軽減クリーチャーを出して火力除去を撃たせた後、《オニガエシ》で蘇生
→ディスアドバンテージを回復し立て直す
なお、「火力で焼かれないように、序盤はクリーチャーを出さない」という選択肢は基本ナシである。その場合は、ドローorブーストを選択されてアドバンテージ差が広がるだけだからである。
また、「唱えるのにマナを3色揃える必要がある」という《リュウセイ・ホール》唯一の弱点を突くのも、運次第ではあるもののそこそこ有効である。
例えば、相手の現在のマナが4マナであっても青または赤が欠けている場合、次のターン色不足で《リュウセイ・ホール》を撃たれないことに賭けて《マッスグ》を出すことで、通った場合に次ターン《鬼丸「爆」》召喚という絶大なテンポアドバンテージを得ることができる(イージーウィンができる対面ではないので、どこかで勝負をかける必要はある)。
パワー7000エラスンギ
「『6コスト以下』の火力で丁度《大番長》を焼ける」「向こうはパワー6000以下のクリーチャーが多く、パワー7000をバトルで倒しづらい」という点で、ここでも《オニナグリ》が活躍しやすい。
《ドン吸い》によるバウンスも進化クリーチャーゆえ効きづらく、許容範囲である。
《オニナグリ》に対抗するため、向こうはブースト連打から《永遠のリュウセイ・カイザー》早出しで殴り返してくるので、さらにカウンターの《ガンヴィート》を合わせられるとファビュラス。
逆に言うと、この用途以外で《ガンヴィート》はほとんど使わないので、より広範囲に刺さりWブレイカーも持つ《勝利のリュウセイ・カイザー》に差し替えるのはアリ寄りのアリ。
おわりに
全編にわたり正直ベースを貫いたため、ネガティブな物言いが少なからずあった。バランスを取るため、最後にポジティブなことを書こう。
まず、《オニナグリ》のウィニー殲滅能力と《「爆」》の持久戦適正は補完が取れており、両翼としてデッキの根幹に据えるのにいささかの躊躇いもない。
次に速度論でいうと、【赤黒ヒューマノイド】の立ち位置は【速攻】と【ミッドレンジ】の中間に位置すると考えられる。《ヒバナ》を駆使した無理やり多面展開によって疑似的な【速攻】の動きもできるにはできるので、【ビッグマナ】系統には有利である。
これには大きな意義があり、【速攻】だと対【ビッグマナ】は楽勝なところを、速度を落とした後も変わらず有利相性を保てていることで、余力を残して勝っていた部分を他のデッキへの対策に回すことができるのである。
今後のメタの回り方によっては、『【ビッグマナ】と【速攻】に強く、《「爆」》を逆立ちさせれば【リュウセイ・ホール】基盤に勝てる』という独自の立ち位置がハマる可能性はある。
さあ、キミも一緒にビートダウンの人権を取り戻さないか?今季ランクマの報酬を受け取るまでの繋ぎでもいいんでご検討お願いします。
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