2022/8/4 9:48 福島県沖を震源とする地震について

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１．地震の概要

2022年8月4日9:48(日本時間)頃、福島県沖(北緯37.6°,東経141.7°)を震源とする最大震度4のやや強い地震が発生しました。この地震による津波はありませんでした。
震央は福島県沖で、震源の深さは約57km、地震の規模はMj5.6と推定されています(気象庁暫定値)。最大震度4を観測したのは宮城県石巻市、丸森町、福島県福島市、相馬市、二本松市、田村市、南相馬市、福島伊達市、桑折町、国見町、川俣町、泉崎村、楢葉町、双葉町、浪江町でした。

画像1.1 NHK地震情報(気象庁速報値)

2.強震動及び推計震度

防災科学技術研究所のK-net強震観測網によると、福島県相馬市の相馬観測点で震度4(計測震度4.2)、三成分合成最大加速度124.9galを観測しています。

画像2.1 K-net相馬 強震波形

また、同研究所のJ-RISQ地震速報によると、福島県の桑折町、国見町、楢葉町、浪江町では震度5弱相当の強い揺れがあったものと見られています。震度5弱相当の揺れに見舞われたと推定される人口は合わせて2000人程度です。

画像2.2 J-RISQ地震速報より 推定震度頻度分布

3.地震のメカニズム

気象庁のCMT解(国内/精査後)では、南西−北東方向に圧力軸をもつ左横ずれ逆断層、あるいは逆断層の型となっています(λ=63°[-27°]/110°[+20°]｜p軸:230°(傾斜8°))。また、CMT解ではMw5.4となっています。

画像3.1 気象庁国内CMT解速報値

この地震は沈み込んだ太平洋プレート内部(i.e.スラブ内)で発生した地震で、特に二重地震面の上面側(沈みこんだ海洋性地殻の側)で発生しています。

４．長周期地震動

気象庁によると、この地震では長周期地震動階級1以上は観測されていません。

５．緊急地震速報

気象庁は9時48分28.0秒に地震波を検知し、地震波検知から4.6秒後の9時48分34.6秒に緊急地震速報(予報)を発表しています。緊急地震速報第一報提供の段階でS波が到達していた地点はありませんでした。一般向け緊急地震速報(地震動警報/特別警報)は発表されていません。

画像5.1 緊急地震速報第1報提供から主要動到達までの時間及び推計震度分布図(気象庁)

6.過去の地震活動

福島県沖のスラブ内では、2020年以降Mj≧5.5の地震が今回を除いて6回発生しています。2021年2月13日のMj7.3の地震は若干北東の地点で、2022年3月16日のMj7.4の地震は今回の地震から若干北の地点で発生していますが、大きくは離れていません。これらの地震と今回の地震は互いに逆断層の型が示されていますが、走向や圧力軸の方向は異なります。関連は不明です。