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令和6年能登半島地震の前後におけるb値変化 その1

気象庁震源の暫定値を用いて、令和6年能登半島地震の余震活動について解析しました。これは速報的なものであり、間違いや不適切な解析方法が含まれている可能性もあるので、今後訂正するかもしれません。参考程度にご覧ください。
東京大学地震研究所の下記サイトおよびseis-pcを使用しました。

TSEIS web version 0.1 DATABASE JMA (u-tokyo.ac.jp)

①余震域全体のb値変化

対象とした範囲

余震域全体を含む範囲(37°≦N≦38°,136.5°≦E≦138.0°)における地震前~地震後のb値変化です。地震直後は余震により検知能力が著しく低下するため、M3.5以上と設定しました。1月6日以降はM2以上、12月と1月21日以降はM1.5以上です。

余震域全体でのb値変化

本震の後、それまで正常な値だったb値が0.78まで減少しています(小さい地震に比べ相対的に大きな地震の頻度が増えた)。また、b値の減少はその後数日で回復しています。
また、地震発生前と地震発生後で、有意なb値上昇は見られませんでした。


余震域を3つに分けた場合のb値推移です。余震域北東部(佐渡付近)は今回の地震が発生するまでの間の地震活動が低調であったためデータをとれていません。珠洲付近や佐渡付近よりも余震域南西部で地震後のb値が小さい傾向にあります。
また、いずれも1/1~1/5では値が小さいですが、やはり検出能力低下の影響が出てしまっているのでしょうか?それとも実際にb値が下がった?

②珠洲付近におけるb値変化

対象とした範囲。赤丸はM7.6の震源。

地震後のb値の減少は2023年5月5日のM6.5(Mw6.2)の地震でも見られました。
下の図は5/1~5/31のF-M図です。ここから、検知能力低下の影響をカットできていることが分かります。

5/1~5/30


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