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いつまでたっても昆虫採集

【アサヒビール大山崎山荘美術館】
という美術館が
秀吉と光秀が戦った
山の麓にありまして、
その美術館の開館25周年を
記念して開催されている
「みうらじゅんマイ遺品展」
に行ってきました。


「マイ遺品」というのは
聞きなれない言葉ですが、
「マイブーム」「見仏記」
「カスハガ」「ゆるキャラ」
などの数々のムーブメントを
おこしてきた みうら氏が
あらたに打ち出した、
ただ好きなものを
コレクションしているだけでは
「邪魔だから捨てろ」だの
「断捨離」だの
「いい加減いいんじゃない?(怒)」
とか迫害されるので
「これは私の遺品です」
とうたうことで
迫害から逃れるという、
まぁ遊びです(失礼!)
詳細は本人インタビューが掲載された
こちらも参照してください。

詳しく説明されていましたので
以上、おわり!!

........................ではなくて、
もうちょっとしゃべらせてください。
生来、おとこのこは、
何故だかモノを集めます。
昭和の時代なら、昆虫採集、記念切手、野球カード、牛乳瓶の蓋
時代が下って、あのアニメの消しゴム、プラモ、様々なカード類
そう言えば愛人を採点して記録し
職を失った作家さんもおられました。
(あれも一種昆虫採集だったので、
女性蔑視で非難gogoでした)

今回の展覧会も上記リンクのとおり
様々な収集物=マイ遺品が
集められていました。
なかでも私が特に気になったのは
コロナ渦きっかけで生まれた、
ふたつの展示です。

ひとつは、膨大な切り抜きを
(ご本人曰く)適当に
貼り合わせて作った「無意識スクラップ」
もうひとつは、連作で描かれた
「コロナ画」です。

「無意識スクラップ」は、
雑誌、新聞、チラシなどの
切り抜かれた記事、見出し、
広告、写真から成り
真面目なニュースから、
週刊誌の芸能ネタ、
スポーツ新聞の見出し
ヌード写真にいたるまで、
ありとあらゆるものが
それこそランダムに
一枚の紙に貼り付けられたものの
連作なんですが
無意識といいながら、
絶妙の対比やバランスで
コラージュされていました。

「コロナ画」もみうら氏が
これまでの人生の中で
色々な媒体を通じて
表現してきたモチーフ
〇仏像
〇チャールズ・ブロンソン、
ボブ・ディラン、ブルース・リー
〇洋画の半裸の女優さん、菊池えり
〇カエル、単に難儀なウシなどの
オリジナルキャラクター
が寄せ集められ
巨大な曼荼羅を形成しています。

このふたつに共通するのは
「聖」と「俗」
「正」と「邪」
「清」と「濁」
これらが見事に対比され
その時代時代を
見事に映し出していました。
(とはいっても、
みうら氏のことですから
「生」と「性」のことも当然多く
私はコラージュされた、
映画のポスターに驚愕し
「こんな映画が製作されていたのか」と
大笑いしました。
そのタイトルは「歯まん」.........)

かく言う私も男子の端くれなので
今まで、昆虫採集の呪いの渦中に
あったんですが

私の場合は「マイ遺品」を
収集することなく
残りの人生は断捨離で!
「モノよりコト(物質より体験)」
の道を歩みたいと思っています。

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