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休学日記。#12


6月17日。78日目。

朝からクロモジを採りに森に行った。そろそろクロモジを見つけるのも得意になったし、山歩きもだいぶ上手になった。でも森に入って作業するのもあと数えるくらいしかないのか。今入っている森の季節の移ろいも見たいなあと思ってしまう。この森も、夏秋冬と色や植生を変えるんだろうなあ、気になる。自然と共に仕事をされている場所で働くからにはやっぱり最低1年は必要だったなと、ひとつ学んだ。

クロモジを採集したあと、近くの谷筋を散策した。わたしの身長くらいまで背丈が伸びた草の中をかき分けて進んで、ぐんぐん山の中へ入った。水の音だけを頼りに歩き進んだ。途中、綺麗な山アジサイを見つけたり、甘くて美味しい木苺を食べたりした。沢に到着して綺麗すぎる水にテンションが上がった。水が冷たくて気持ちよかった。小さな魚も泳いでいた。豊かだなあと思った。山道を歩きながら、まゆさんとたくさんお喋りをした。わたしの将来について、親身になって一緒に考えてくれてアドバイスをくれた。まゆさん自身色々な経験をされているし、素敵すぎる価値観と感性とセンスの持ち主だから、本当に尊敬している。まゆさんと2人で山を歩きながらお話する日が来るなんて、数ヶ月前の自分が聞いたら信じないかもしれないな。本当に貴重でありがたい時間すぎるんだよな。

家に帰ってきたら、サウナ小屋が作られていた。地元のお兄さんたちが集まって、住人と共にシェアハウスの敷地内にプライベートサウナを作っていた。なんかカッコよすぎるよね。借りてる古民家の敷地内に椎茸の乾燥小屋があるからそれをDIYしてサウナ作っちゃおう!っていう発想がもうなんかカッコいい。そして本当に実現しちゃってるのもカッコいい。わたしもサウナにはハマってしまってるから完成して使えるようになったらまたこの家に帰ってこなくちゃだなあ。楽しみ1つ増えた。


6月18日。79日目。

山歩きで疲れていたのか、朝ぜんぜん起きられなかった。特に仕事も予定もなかったから睡魔に任せて寝ることにした。目が覚めたのでドラマを見たり本を読んだりした。朝ご飯みたいな昼ご飯を食べて、また本を読んだ。眠くなってきたので昼寝をした。爆睡してる間に住人のほとんどがいなくなってた。素敵なカフェに行ってた。わたしも次の休みは行きたい。30分のつもりが2時間寝てしまうのは、もはや通常運転。昼寝は15分がいい、と聞くけれど、15分でスッキリ目覚められた試しがない。というかちゃんと布団に入って寝てる時点でたぶん私は15分後に目を覚ます気がない。そんなこんなで長めに寝て目が覚めてまた本を読んだ。おやつには湯布院で買った超可愛いフォルムのスイートポテトを食べた。夕方になったのでお風呂を洗ってお風呂に入った。明るい時間のお風呂は気持ちがいい。お母さんから電話がかかってきたので話した。数日後に会えるからたのしみ。そーちゃんとひかりさんがご飯を作ってくれたのでみんなで食べた。そんな一日。

ご飯を食べながら「今週どうだった?」という質問から対話時間のようなものが始まった。キャンドルを灯して、日本酒を飲みながら。それぞれ学びや気付きがあったみたいで、共有してもらえてよかった。ちょっとした振り返り時間になるのかなと思ってたけど、話が広がったり脱線したりしながら想像以上に深く語り合ってとても良い時間だった。都会から田舎に移住した人、都会と田舎の両方を経験して田舎を選んだ人、どっちが自分に合っているのか絶賛迷い中の人(自分)、などなどそれぞれの境遇や経験から思うことをキャッチボールし合った。お金のこととか、仕事のこととか、話している内容が今日読んだ本といっぱいリンクしていて、思考が深まっていく感覚があった。まだまだ知らないことはいっぱいあるなと実感した。でも自分も未熟ながら経験してきた色々な出来事から思うこともあって、その点たちが繋がる感覚というか、こんな人生だったからこれを感じているのかって気付く瞬間があって、なんだかおもしろかった。ひさしぶりに酔っ払った。たぶん饒舌になってた。語りたいモードに入ってた。たのしかったなあ。お家で上質なお酒で酔えるっていいなあ。大人の階段登った。


6月19日。80日目。

たぶん昨日飲みすぎた。ひさしぶりに「うわ、昨日飲んだなあ」っていう感じだった。バイト午後でよかった。今日は洗濯するぞと心に決めていたから起きてとりあえず洗濯を回した。太陽の光が差す日に洗濯物を外に干せるときほど気持ちいい朝はない。最高の気分。バイト午後でよかった。おーけー(hitotoseの6人目の住人)がフレンチトーストを作ってくれた。バズるフレンチトーストらしい。めちゃウマだった。バイト午後でよかった。

午前中すこしだけ散歩をした。ひさしぶりに上の方から山をみて、なんか心がスカッとした。ここに住み始めてすぐの頃は、この景色をとにかく目に焼き付けたくて家のまわりの散歩もよくしていたのに、そういえば最近全然してなかった。家のまわりの山も、季節の移ろいに合わせて色や景色が変わっているだろうに。慣れってこわいな、ありがたさをすぐ忘れてしまう。昨日はずっと雨で一日中家にいたから尚更晴れた日の外の空気が気持ちよかった。さすがに体も動かしてなさすぎるしちゃんと歩いたり走ったりしないとなあと思った。

太さんにオススメしてもらった本を読み終えた。今回も学びの深い一冊だった。「生きるように働く」という本で、色々な人の生き方や働き方が紹介されている感じの本。人の思考や価値観に触れるのが好きな私にはとてもハマった本だった。学んだことは山ほどあって書き始めたらいっぱいあるんだけど、上手にまとめられる気がまったくしないから今回はやめておく。手書きのノートに書き溜めたことをいつか読み返してまた気付きを深められたらいいな。


6月20日。81日目。

働いた。レジの仕事しながら七夕の飾りを作った。七夕の飾りを作るなんて何年振りだっただろ。中学生ぶりかな。なんか楽しくて集中してしまった。七夕近いね〜って言って飾り付け準備をする感じ、なんかいいなあと思った。

太さんのおじいちゃんおばあちゃんのお家に行った。すでに何度か行かせてもらったことはあるけど、この季節に行ったのは初めてで、草や木がとても元気で一面が青々しくて綺麗だった。10月生まれだからか秋のもみじは昔から大好きだけど、緑色で生き生きしているもみじもとても好きだなあと思った。おいしい鰻を七輪で焼いて食べさせてもらった。美味しすぎた。ふわっふわだった。薪で沸かすお風呂にも入らせてもらった。

たくさんお話したし書きたいこともあるけど、美味しいお酒ももらっちゃってもう眠いし、夜も遅いし明日もお仕事なので今日はあまり書かずに寝ます。こんな日があってもいいよね〜。


6月21日。82日目。

今日はなんだかnoteを書く気分になれない、というか、これ以上画面を見たくないなあ、という気分。そういえば今日は夏至らしい。20時過ぎまで外が明るくてびっくりした。TOKIOの太一くんが、「日が長い喜びと夏至を境に日が短くなる切なさ。嬉しさと切なさを一緒に味わえる日。」って表現してた。わたしは日が長いんやなあ〜くらいしか思ってなかったけどもっと深みを感じられる人になりたいと思った。あ、ニンニクをみじん切りにして肉野菜炒めに香り付けをする技術を身につけました。以上です。


6月22日。83日目。

今日は、お母さんとお姉ちゃんと第二の母が耶馬溪に遊びにきた。第二の母というのは、わたしが2歳の時からうちの実家のケーキ屋さんで働いてくれているお姉さん。20年も働いてくれているのでうちの家族ともすごく仲が良くて、本当に第二の母という感じ。

3人を連れて、働かせてもらっているアロマの会社に行った。会社の家族の方々がうちの家族とたくさん話してくれて、なんかいろいろ褒めてもらって嬉しかった。こんな場所で働いてますっていうのを家族に伝えられてよかった。改めてとても素敵すぎる場所で働かせてもらってるんだなあって実感できた。今までの人生、親に勧められたことを基本的に選んでいたから、親元を離れて自分から好きになったものを親に伝えるって、なんか地味に勇気がいるようなことな気がしていて、ちょっと緊張してる部分があった。少し不安だったけどやっぱり連れてきてよかったと思えた。今日地元で集まってる親戚にもお土産でアロマとかもろもろをいっぱい買って帰ってた。好きなものを好きな人が好きになってくれるって嬉しいなあ。

シェアハウスのみんなともよく行く蕎麦屋さんでお昼ご飯を食べて、hitotoseに連れて行った。想像よりも本格的な山の中だったらしくすごいビックリされた。シェアハウスのみんなも突然親連れて行ったのに一緒に話してくれて嬉しかった。お姉ちゃんはまたゆっくり連れてきたい。旬菜館にも寄って野菜などなどを買った。旬菜館の店長も親と話しててなんか褒められちゃった。調子に乗ってしまうので褒め言葉の摂取量はほどほどにしておかないと。帰りに家族から「まわり本当にいい人ばっかりやね」とか「いいとこ住んどるね」「こんな縁に恵まれて本当によかったね」とか言ってもらえて心の底から本当に嬉しかった。休学させてよかったって親に思ってもらえたことが、今日1日のなによりも良い出来事だった。家族に来てもらいたいなって思えるほどこの場所のことも好きになれてよかった。


6月23日。84日目。

ねーちゃんとなんかいっぱい話せた。年齢を重ねるにつれて、ねーちゃんとだんだん本音を話すようになった。昔が気まずかったとかそういうわけでは全くないんだけど、むしろ勉強部屋も寝る部屋もずっと一緒だったんだけど、ふざけた話ばかりしてたなあと今になって思う。ここ数年は真面目な話ができるようになった。そろそろ2人で出掛けたいなあ。去年会社を辞めてからのねーちゃんは未来のことなんて考えたくもないみたいな感じだったけど、夢みたいなものもコソッとだけど最近やっと口に出すようになってきたから、もっともっと聞きたい。

今週読んだ一冊の本にすごくピンと来る文章があった。わたしは人とモノを繋ぎたいって気付かせてくれた。届ける人になりたい。でも、この数ヶ月でものづくりのおもしろさも知ってしまったし、つくる人を目指すも今の段階でナシとは言えない。今の段階でわかることは、“モノ”のまわりを取り巻く人に興味があるなあ、ということ。いろいろな場所でいろいろな人の話を聞きたいなあ。

久しぶりに家族4人で食卓を囲んだ。いっぱい話していっぱい笑った。パパがここ数ヶ月携帯ゲームにハマってたらしく、何も考えずに課金してしまっていて先月の携帯料金を見てビックリして大反省して、ゲームを全消しして代わりにどう森始めたっていう話で涙が出るほど笑った。最後どう森に帰着するあたりが意味わからなくて面白かった。ねーちゃんはずっとどう森やってるからレベルがめっちゃ上らしく、ねーちゃんの部屋まで「鉱山いくの手伝ってよ...」って言いに行くパパがおかしくてさらに笑った。今日も楠本家は平和でなにより。



なんだかんだ濃い1週間でした。

読んでくれてありがとうございました。💐

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