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「何個積み上げたことがあるんですか?」って言われても…

ロックバランシングの説明をするとき、「きわどいバランスで石を積んでいきます」と言って、デモンストレーションで4,5個積み上げて見せたりします。そういう時、「一つの作品で最高何個積み上げたことがあるんですか?」と問われることがたまにあります。

わかりやすく見せたせいで、とにかく上に上に積み上げていくものだと思わせてしまったのかもしれません。実際、どんどん上に積み上げていけばいくほどバランスをとるのは難しくなっていきます。だからたくさん積むほど作品として優れているのだろうと考えてしまうのは無理もありません。

しかし、ロックバランシングは数で優劣は考えません。また、私の場合は特に、上に乗せていくばかりではなく、細長い石を使って横に伸ばしたり、石の欠片を隙間に挟んだり、寄りかからせたりもします。ですから「積み上げる」というイメージとは異なった作品も多いです。

冒頭の写真の作品は数えたら石を42個使っていました。この写真を見せずに「42個積んだことがある」と言ったなら、42個を順番に上に積み上げた姿を想像されて驚くことでしょう。それでこの写真を見せて、想像してたのと違う驚きを誘ってみるのも面白いかもしれないなどと考えています。

以前も書きましたが、ロックバランシングは石をたくさん積むほど優れた作品になるわけではありません。超絶に難しいたった一つの石を立てるのでも、2つ3つの石の組み合わせでも、とても魅力的ですぐれた作品になりえます。石の選定とバランス技術次第でそれが可能なのです。



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