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モンドリアン展

SOMPO美術館で開催中のモンドリアン展を見てきました。モンドリアン(1872-1944年)の生誕150年を記念して開催された展覧会で、緊急事態宣言によって会期末ギリギリに再開され、日時指定の予約の上来場が可能です。

なお、以下の文章には展示の内容を表す部分もありますので、各自のご判断で読み進めてください。

モンドリアンについて

色面で構成された抽象画で名前が知られますが、初期の風景画まで遡ることのできる作家です。詳しくは展覧会のサイトをご覧ください。

展示について

初期のハーグ派様式の風景画から始まり、時間軸に沿ってモンドリアン作品が楽しめます。初期の作品はいわゆる風景が描かれた油絵で、やや薄暗い雰囲気が時代を感じました。徐々に色彩が構成的に使われたり形状が抽象化するなど絵の変化があったことを実感できます。コンポジションと題された作品群の途中には同世代の作家の構成的な絵画も挟まれ、正直どれが誰だか混乱するほどで、モンドリアンの描いた構成絵画は時代的な絵画であることを再認識しました。

活動を共にした「デ・ステイル」の作品等にも触れモンドリアンの関わる広い背景が占められた展示でした。個人的にはハーグ邸の水平垂直の面で構成された建築の動画にしばらく見とれました。画家と建築家のコラボレーションとしてまた住人までも作品に取り込むような試みは想像するだけでドキドキします。

モンドリアンと私

構成専攻という分野で美術学生をしていたため彼の構成絵画は見慣れたつもりでしたが、こうして1人の作家の生涯の作品を並べて時系列で見ることで、擬似的にも考え方や時代の変化や周囲の環境、特に関係する人物について改めて考えることになりました。
また同世代の作家が生み出す時代性について感じるところもあり、自分の関わる分野にも時代の取りまとめが必要なんだろうなと意識しました。

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