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吸血鬼のポルノ事情 第二話

記号解説
【】=ページ指定です
※=演出指示や情景描写です。
・=モノローグです。

【p1】
※夕食前にタンクトップに短パンと言うラフな格好でネックカバーと簡易マスクをつけて自室でくつろぐキャサリン。ノートパソコンでにイヤホンを繋いでVanzaで配信されている吸血鬼向けポルノ映画”真夜中の娼女王”を食入るように見ています。

【p2】
キャサリン「ひゃぁ!」
ノックをしてもキャサリンが気付かないため自室に入ってきたキョウコに気付かずに背中をつんつんと指で突かれます。
※キャサリンのリアクションにキョウコは目を細めて笑います。
キョウコ「かかか!エロ動画見る時は気を張らなきゃなぁ」
キャサリン「もうっ!キョウコったら、いじわるぅ」

【p3】
キョウコ「おまえが可愛いからついからかっちまうのさ。晩飯だ。今日もいい夜になりそうだ」
※キャサリンはキョウコには敵わないという顔で台所に行きます。

【p4】

キョウコ「さっき見てたエロ動画、ポルノ映画だろ?面白そうだな」
キャサリン「うん、華族相手の高級売血婦になった女の子のお話。純粋にストーリーに興味を持って見てたんだけど、どうにも官能要素がピンとこなくて……」

【p5】
キョウコ「なぁるほど、浮かない顔はそういう訳か」
キャサリン「うん、自分なりに色々考えて解釈したいんだけど……」
キョウコ「そういうことなら、オレと一緒に見てみるか?”使い所”がどこか教えてやるよ」

【p6】
キャサリン「えっ!それは……」
※キョウコの提案にキャサリンはぎょっとて赤面します。
キョウコ「なんだ嫌か?照れるか?若い内はダチとそういうバカやって楽しむもんだぞ」
キャサリン「そ、そうよ!何事も経験よね」

【p7】
※場所をキョウコの部屋に移して、真夜中の娼女をテレビ画面で視聴します。
キョウコ「映画と言えば、やっぱりこれだよな」
キャサリン「映画に輸血パック……人間にはない発想」
※キョウコは輸血パック、キャサリンはコーラを持ってきています。

【p8】
キョウコ「おっ!始まったぞ」
※冒頭の華美なマスクをつけた華族たちのパーティーを主人公の18歳の少女サヤが物憂げに眺めるシーンから成人仕立ての伯爵令息の初吸血(筆おろしの)シーンに移ります。
キャサリン「伯爵のお坊ちゃん、女の子にわざわざマスクを脱がせてるね」
※伯爵令息のスチームパンク風のデザインのマスクが可変するギミックにキャサリンは見惚れます。
キョウコ「けったいな作りのマスクでもったいぶらせてるのは分かってるぜ監督。童貞小僧の不安と期待に満ちた表情の演技が良いな」
※キャサリンは学術的な興味が先行していますが、キョウコはにやにやと目を細めて美形の若手俳優のおどおどとした演技に興奮を隠しません。

【p9】
※口腔側からサヤの表情で牙の大きさに対するリアクションを伝えたり、吸血シーンもなるだけ牙を映さず、女優のリアクションで魅せる演出を徹底しています。
キャサリン「なんか、執拗に口元を見せないね」
キョウコ「そりゃ牙のモザイクが出たら興ざめだからな。おっ!今度は太ももにガブリだ!たまんねー」

【p10】
※伯爵令息がうなじ、太もも、腕と牙を付きたてていくうちに毛細血管が浮き出て、血管を吸血種菌が全身に広がっている演出が入ります。
キャサリン「毛細血管がリアルですね」
キョウコ「おぉ……じわじわと細菌が広がっている……エロっ!」
キャサリン「えっ!これエロいの」
キャサリン「牙から撃ち込んだ自分の菌が広がり、自分の色に染まっていく……そそるわ」
※うっとりとした顔で溜息をつくキョウコの顔をまじまじと見つめます。

【p11】
※伯爵令息との夜を終えた後に昼に目が覚めて歯磨きをするシーンがはいります。
キャサリン「こんなに歯磨きを映し必要ってあります?」
キョウコ「こりゃ、いわゆるサービスシーンだな。人間の場合は歯や口の描写の規制の度合いが若干緩くなるからな」
キャサリン「は、はぁ……」
※いまいち、ピンと来ずに歯磨きからやたらと凝った口をゆすぐシーンを見つめながら、横目でキョウコを見るとマスク越しに口元がそわそわしていることに気づきます。

【p12】
キャサリン(わぉ!牙が伸びてきてきてるんだ)
※普段は長めの八重歯程度の吸血鬼の牙は性的興奮を覚えると著しく伸長します。
キャサリン(伸びきった牙が直に見たい……けど、友達には逆に頼みずらい)
※勘の鋭いキョウコはキャサリンの気持ちを察した上で反応を楽しみながら映画を見ます。

【p13】
※ノーマスクやノーネックカバーの女の子が無防備に過ごす姿をマジックミラー越しに見せる風俗店の店員を売血婦に仕立て上げるためにサヤがスカウトに訪れます。
キャサリン「私服の女の子が普通におしゃべりしたり、お茶してるだけ……これが見世物になるんですか?」
※キョトンとしたキャサリンにキョウコがくつくつと笑います。

【p14】
キョウコ「そりゃ見世物になるさ、ほら全員髪をたくし挙げて思わずガブリとやりたくなる綺麗なうなじが丸見えだろ?眼福ってやつさね」
キャサリン「はぇー!なるほど」

【p15】【p16】
※自分のスカウトした女子大生ユミが下着姿の人間や吸血鬼の若い男女たち乱吸いパーティーの吸われ役として参加するシーンを見開きで映します。マスク姿の吸血鬼たちが思うがままに血を吸う退廃的な画を描いてください。

【p17】
※ユミは目隠しを両手両足に枷をつけられています。キツネや鬼、道化師など顔上半分を覆う様々なマスクをした吸血鬼の男女五人がユミを取り囲み牙を剝いて次々と噛みつきます。

【p18】
※痛痛しいシーンに思わずキャサリンが顔を覆いますが、指の間からしっかりと見ています。
キャサリン「きゃぁ!生々しい!」
キョウコ「ほほぉ。顔上半分を隠すことで口元に視線を誘導してるって訳かぁ」

【p19】
※乱吸いシーンが終わり、首筋、太もも、乳房、脇腹、ふくらはぎ、二の腕、手首と次々と穿たれる吸血痕がズームで映ります。
キャサリン「吸血痕はポピュラーなフェチと聞いてましたが、やたらとクローズアップするね」
キョウコ「一人から一回に吸える血の量は法律で制限されてるから、こんなガブガブやったら失血死しちまうぜ」
キョウコ「おっと、いかんいかん!フィクションとはいえ、そういうこと考えると醒めちまう」

【p20】
※映画も終盤に差し掛かり、主人公のサヤが高級売血婦になった理由は自分の母親を弄んだ公爵に対して復讐することが明かされ、公爵を磨き上げた美貌と血の味で篭絡して弱味を握り復讐を果たし大金と自由を手に入れる。
キャサリン「面白かったね。まさか最初の伯爵令息が重要キャラになるとは意外だった」
キョウコ「あぁ、ラストの吸血シーン気合入ってたなぁ♥」
※にんまりと目を細め、口元をむず痒そうにしているキョウコを見て、キャサリンは勇気を出して口を開きます

【p21】
キャサリン「キョウコ!今、牙伸びてるよね!み、見せてくれないかな?」
※真剣な顔のキャサリンがおかしくてキョウコは破顔します。
キョウコ「かかか!おいおい分かってる?人間でいえば股おっぴろげて勃ったナニ見せろっていうようなもんだぞ!」
キャサリン「わ、分かってるよ!でも、気になる!キョウコなら私のわがままを聞いてくれるかと思って」

【p22】
キョウコ「かかか!普通なら下手しなくてもセクハラだぜ。でも、可愛い年下のダチのたっての頼みなら見してやるかなぁ」
※キャサリンが固唾を飲んで見守る中、映画のシーンを真似てもったいぶった仕草でマスクを脱ぎ下ろします。

【p23】
※キョウコはがばっと大きく口を開けて立派な牙を見せつけます。
キョウコ「ほへ?どーふぁ?」
キャサリン「す、すごい!実物は初めて見た!」
※好奇心MAXで目に星が散っているキャサリンの様子を描写して下さい。

【p24】
※キャサリンが牙の裏側で舐めるように見ます。覗き込む際にキャサリンの首がせわしなく動き残像がつくような演出をお願いします。
キャサリン「あ、あれ小さく」
※牙が徐々に小さくなっていき、キャサリンは首を傾げます。

【p25】
キャサリン「ど、どうしました?」
キョウコ「そんなジロジロ見られたら萎えるだろ。ほんと遠慮知らずだな」

【p26】
キャサリン「ご、ごめんなさい」
キョウコ「ふふ、反省してるならよし、今後、フィールドワークをやってくならそういうのに気を使えないとダメだから、今のうちに気づけて良かったじゃないか」
キャサリン「そうだよね。他所でこんなことしたらセクハラで訴えられちゃう……」

【p27】
※キョウコはキャサリンの頭を撫でて慰めます。
キョウコ「その素直さが、おまえの取り柄さ、この監督の映画面白そうだからまた一緒に見ようぜ」
キャサリン「うん!でも子ども扱いはあんまりしないでよぉ……もう大人なんだから」
※少し照れ臭そうにするキャサリンにキョウコは笑みを浮かべます。
キョウコ「かか!じゃあ、これでおあいこだな!」
キャサリン「もぉ、キョウコったらぁ……」

【p28】
※場面は変わり、就寝前。ノートパソコンで今日見た吸血鬼向けポルノ映画についての覚書きをまとめて眠りにつくキャサリン。
キャサリン「ポルノ映画関係者への取材にも行ってみたい……」
※眼を閉じるとキャサリンは即座に眠りに落ちます。

【p29】
※画面が暗転して、キャサリンは夢の中で吸血鬼たちに全身に噛みつかれて牙を穿たれて悲鳴を上げ、朝に目を覚まします。
キャサリン「はっ!ゆ、夢っ!?」

【p30】
※股間に違和感があって毛布の下を覗き込むとしっとりとパンツがほんのりと湿り気を帯びています。直接的な描写は避けて赤面するキャサリンの表情で仄めかしてください。
キャサリン「えぇぇぇ!映画を見ただけでこれって……研究者としては良い傾向?なのかなぁ」
・どうやら被吸血願望に目覚めたみたい……。

つづく

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