エアリプされたら?

昨年から雑誌『母の友』(福音館書店)では、人生相談風漫画が連載されていて、たまにヤマネが登場します。可愛いだけが取り柄のヤマネ。

悩みに答えてくれます。

昨年まで、わたしの隣の席には、落ち武者のような退職間際の髭のおじいさんが座っていて、わたしの悩み全部に答えてくれました。

「ねえ、おじいさん。ツイッターでエアリプされたんだ。
 それは、居酒屋さんで飲んでいたら、違う席から、こっちに聞こえるように悪口を言われるようなこと。今の人は飲み屋さんじゃなくて携帯電話を使ってやるんですよ」と相談したことがありました。

「なんだ、若い人はそうなのか。やっぱり寂しいんじゃないか。おれっちと一緒だ」と髭じいさんは、嬉しそうに笑っていました。

「どうすればいいの」

「それは、その人にビールをごちそうしてやる。そんでね、お店を出ていく時にね、『あんたもどうせ、おれみたいになるぞ』って言う」


わたしは髭のおじいさんが隣にいなくなった今も、何かあると、髭じいさんならどうする?って考えます。

対人関係は難しい。SNSでもそれは同じ。
いい歳になっても、いじめにあった時のような、自分が小さい子に戻ったような心細い気持ちになってしまう時があります。
そんな時は、相手にビールをごちそうすればいい。わたしは、その気持ちを思い出すだけで、ふうっと息が深くなります。ビールかぁと、大人の自分に戻ります。

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