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「おかえりモネ」あれこれ読解

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「おかえりモネ」の読解&考察集です。最終回を終えて、結末がわかりましたが、 それぞれの考察時点の見解としては特に大きく読み違えてないと思ったので、そのまま残しておきます。
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#りょーちん

おかえりモネは「水の循環」の物語〜その根底に流れるものは運命の2人の愛

「おかえりモネ」は「水の循環」がストーリー骨子だ、「心の復興」がコンセプトだとtweetしてきました。その基本的な話しの流れは次の通りだと思っています。 水は 太陽エネルギーによって蒸発し、 雨となり、 森林で浄化し育まれ養分を含んだ後、 川で磨かれ、 海に帰ります。 栄養をたっぷり含んで帰った水は、海に潤いを与える。 そして、読み解くとたどり着くのは 根底に粛々と流れている、 ーー「震災で引き裂かれた運命の2人の物語」 要するに『「亮と百音」の愛の物語』です。 そ

「おかえりモネ」〜モネにとっての太陽

おかえりモネは「水の循環」のお話です。 龍己「その山の葉っぱさんたちが、海の栄養になんのさ。山は海とつながってるんだ。なんも関係ねえように見えるもんが、何かの役に立つっていうことは、世の中にいっぱいあるんだよ」百音「じゃあみんな誰かの役に立てんの?」 何度も何度も繰り返される「水の循環」を説明するセリフから、「そこにいるだけでみんな誰かの役に立っている」ことが、この物語で最も伝えたいことのひとつだと感じています。 その「水の循環」で、大切な役割を担っているのが「太陽」で

「おかえりモネ」〜亮と未知の優しい関係

亮と未知の関係を読み解くにあたり、菅波と百音も同様の関係を築いていることが前提となります。 登米で同時期に出会った「菅波とモネ」は偶然にも2人で「自助グループ(同じような傷を負う者がグループとなり、感情を共有しながら心の傷を癒していく治療)」が成り立ち、トラウマ回復のニコイチとして「心の洗濯」をしていました。(→「菅波とモネ」はこちらのnoteにまとめています) これまでの話を辿ると、亮と未知もまた同じようにニコイチでトラウマ回復の自助グループ活動をしているように受け取れ