マガジンのカバー画像

「おかえりモネ」あれこれ読解

17
「おかえりモネ」の読解&考察集です。最終回を終えて、結末がわかりましたが、 それぞれの考察時点の見解としては特に大きく読み違えてないと思ったので、そのまま残しておきます。
運営しているクリエイター

#ブッダ

おかえりモネは「水の循環」の物語〜その根底に流れるものは運命の2人の愛

「おかえりモネ」は「水の循環」がストーリー骨子だ、「心の復興」がコンセプトだとtweetしてきました。その基本的な話しの流れは次の通りだと思っています。 水は 太陽エネルギーによって蒸発し、 雨となり、 森林で浄化し育まれ養分を含んだ後、 川で磨かれ、 海に帰ります。 栄養をたっぷり含んで帰った水は、海に潤いを与える。 そして、読み解くとたどり着くのは 根底に粛々と流れている、 ーー「震災で引き裂かれた運命の2人の物語」 要するに『「亮と百音」の愛の物語』です。 そ

「おかえりモネ」は『心の復興』の物語。安達奈緒子による令和版手塚治虫『ブッダ』

まず前提として、手塚治虫『ブッダ』は宗教書ではありません。お経の文は出てきません。 ーー内容は仏教を踏まえた手塚哲学・手塚イズムです。 火の鳥もブラックジャックも伝えているメッセージはほぼ同じです。 実際、手塚治虫はインタビューで『ブッダ』を「釈迦の大河ドラマを通して「人間が生きるということ」を描いた」と語っています。 ”仏教と人間が生きるということを結びつけて1つの大河ドラマ、ビルドゥングスロマン(主人公の内面的な人間形成の過程を描く作品)のようなものを描きたいと思