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NZの迅速で断固としたCOVID-19への対応を見ると、花見をしている場合ではない気がしてきた

隣の芝生は青いぞ、ということかもしれませんが、他国の優秀なリーダーと政府の対応を日々ウォッチングしてしまう、今日この頃。その中でも、目を引くニュージーランドが、25日(水)の深夜をもって、全国でロックダウンを行うと発表しました。

記者会見のアーダーン首相のスピーチ部分しか見ていませんが、すごいな、と思ったので、抄訳どころではない、雰囲気だけの翻訳ですが、以下に書き出してみます。(ざっと聞いた範囲で書き出したもののため、誤りがあるかもしれません。ご了承を。)

NZの感染者数は102名ですが、イタリアも一度はそうでした。そして、イタリアでは、病院の収容可能人数を超過し、日々数百人が亡くなってしまうようになりました。現在、NZでは2名の感染者の感染経路が不明のままです。つまり、コミュニティ内での感染があったのです。

今なら、私たちには行動の選択肢があります。緊急度をレベル4に上げることを決めました(末尾に一覧表)。3月25日(水)23:59をもって、4週間のロックダウンを行い、全ての国民に自己隔離を求めます。

学校は完全に休校、医療関係や警察関係、スーパーや薬局などをのぞいて仕事も家から行うなど、対応をお願いします。なお、スーパーの棚は、みなさんがいつも通り買い物をすれば、十分な食料が補充されます。
屋外に運動しにいく場合も、他者から2メートル離れ、個別で行ってください。友人と公園で会い、家族とランチをすることが、他者に危険をもたらします。

コミュニティ内での感染を広めないために協力してください。この自己隔離が数千人の命を救うと考えてください。4週間はみなさんが愛する人々と再会できる最短の期間と考えてください。
最後に、「強くあってください。そして、優しくいてください」。私たちは今後も、情報は十分に提供しますし、迅速な行動をとっていきます。断固として行動し、先手を打っていきます。

いくつか新聞記事を貼り付けます。

"I say to all New Zealanders: the government will do all it can to protect you. Now I’m asking you to do everything you can to protect all of us. Kiwis – go home."
「すべてのニュージーランド人に伝えます:政府はあなたたちを守るためにできることをすべてします。なので、お願いです、あなたができる一つひとつの行動を通して、私たちを守ってください。キウィ(NZ国民の愛称)たちよ、家に帰ってください。」

同じニュースをちゃんとした日本の新聞記事で。

少し前にあったスピーチでも、感染拡大を防いでいる例として台湾、香港、シンガポールを参考にしているという話をしていたけれど、良い例も悪い例もきっちり分析して、さらに、自分たちの状況に照らして、「Act early, act decisively(早く動く、断固として動く)」というスタンスで行動をしていて、事実、まだ感染者102人、死者0人(!)という状況に甘んじることなく、国民を守るためにできることを全てやる、という行動力と、それを支える政府の分析力と対応力、すごいな、と思います。

おまけ。ニュージーランドのCOVID-19に関する行動指針・緊急レベルのシートがあったので、貼り付けます。

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「やさしくあってください。家に留まってください。人命を救ってください。」なんてことをFacebookで投稿するリーダーが育った教育と、家庭環境、社会環境、ロールモデル、政治体制、この人を選んだ国民の審美眼、etc.に興味が湧きました。

早くこの異常事態が収束しますように。

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