ハイブリッドクラウドストレージを構築する前に知っておきたい、QNAP NAS とクラウドサービスの選び方。
こんにちは。Kumi です。
前回までの投稿で、クラウドを利用中の人が QNAP NAS を導入するメリットや、反対に NAS を利用中の人がクラウドを追加してハイブリッドクラウド環境を構築するメリットを説明してきました。
今回の記事では、ハイブリッドクラウド環境を実際に構築するにあたって、気をつけておきたいチェックポイントを紹介しようと思います。
1 適切な NAS の選び方
・SSD は必需品です
ゲートウェイにとって、速度が最も重要だからです。
SSD があればキャッシュでアクセス速度を向上できます。「SSD?キャッシュ?なんぞや」という方も、SSD のあるなしでクラウドへのアクセス速度が大きく変わる点だけ押さえておけば大丈夫です。
事実上、すべての QNAP NAS には、3.5 インチまたは 2.5 インチドライブベイに 2.5 インチ SATA SSD を搭載できます。
一部のモデルでは、SSD アプリケーション専用の M.2 SATA/PCIe NVMe スロットが採用されています。PCIe 拡張スロットが採用された QNAP NAS には、1 つ以上の QM2 拡張カードを差し込むことができます。ストレージプールを拡張したり、ディスクアクセスを高速化したりできます。
・1GbE 以上のネットワーク速度
QNAP NAS の、パブリッククラウドと LAN 上のクライアント間に集約するトラフィックは、1GbE ではすぐに飽和状態になってしまいます。必要な帯域幅はアプリケーションやクライアントの数に依存します。
QNAP では 5GbE から 40GbE(ビルトインまたは PCIe 拡張によるオプション)にいたるまで、製品ラインナップを一式ご用意。ボトルネックを完璧に解消し、新しい投資のメリットを享受できます。
デスクトップモデルは TVS-x72N シリーズがおすすめです。
TVS-872N(TVS-x72N シリーズ)
5GbE と 2 つの内蔵 M.2 PCIe NVMe スロットを採用しています。
高速なネットワーク速度や優れた M.2 性能が必要な場合でも、2 つの PCIe スロットが搭載されているので、QNAP 10GbE NIC と QM2 拡張カードで性能をアップグレードできます。
ラックマウントモデルに関しては TS-x83XU シリーズがおすすめです。
TS-1283XU(TS-x83XU シリーズ)
Intel Xeon E プロセッサ、ECC メモリモジュール、内蔵 10Gb SFP+ ネットワークを採用しています。こちらのシリーズでも、QM2 拡張カードを購入し、M.2 SSD 機能のオプションとして追加できます。
NAS を初期化したのち、QTS App Center にアクセスして HybridMount および VJBOD Cloud をインストールできます。アプリ内では無料ライセンス(数に制限あり)を利用できます。また、QNAP Software Store から追加のライセンスを購入することも可能です。
2 適切なクラウドストレージサービスを選ぶ
パブリッククラウドサービスの利用が初めての場合でも大丈夫。何をどうやって選んだら良いかお手伝いいたします。
一般的に、世の中にはファイルストレージとオブジェクトストレージの 2 種類のクラウドストレージサービスが存在します。
ファイルストレージは、すでにご存じの方が多いかと思います。
ファイルとしてデータを保存し、名前を付け、フォルダやサブフォルダに格納します。データはアプリで簡単に使用が可能。ただし、ファイルの保存量にしたがって、ストレージ内でのファイルの検索に時間がかかるため、パフォーマンスに問題が生じます。
ファイルを保管するためのスペースを探しているなら、Dropbox や Microsoft OneDrive がおすすめです。
共同作業がしやすいストレージを求めているのなら、Box や Citrix ShareFile がよいでしょう。
一方、オブジェクトストレージはすべてのデータをフラットな構造に保管するものです。最大のメリットは大量のデータがある場合でも効率的にアクセスできることですが、オブジェクトストレージに保存したデータは人間が読める状態ではありません。つまり、Web ブラウザでサービスにログインしても、ファイルを取り出すことはできないのです。
世界的に有名なオブジェクトストレージを希望する場合、AWS S3 や Microsoft Azure が理想的です。
コスト面を気にするのであれば、Backblaze や Wasabi を検討するとよいでしょう。
本稿ではファイルストレージとオブジェクトストレージについて簡単な説明と比較を行いました。選択の一助となれば幸いです。QNAP の Web サイトでは、それぞれ対応しているクラウドサービスプロバイダの紹介をしています。
気になる方はこちらをご覧ください。
https://www.qnap.com/go/solution/hybrid-cloud/
それではまた来週お会いしましょう!
世界有数のNASメーカー、QNAP株式会社の公式noteです。