「時間の流れと心のかたち」

NFTコレクションpakapo(パカポ)の物語の根幹であるテーマ「時間の流れと心のかたち」について書いてみます。

このテーマは僕が商業イラストレーターではなく、アーティストとして創作している作品に一貫して紐付いています。

そもそものきっかけは何でもない事で、いつ頃だったのかも覚えていないのですが、ある出来事があったからです。

それはとても穏やかな日差しの春の日だったと思います。

洗濯を干した後、昼寝でもしようかと仰向けに寝転びながら天井を見るともなく見ていると、ふいに気持ちの良い風が部屋に舞い込んできました。ふんわりおひさまの匂いがして、干したシャツが少し揺れて、カーテンがふわふわと気持ち良さげに動いています。

僕はそのふわふわ揺れるカーテンを何となくぼーっと見上げていました。
遠くから雀の鳴き声もしていたと思います。

どのくらいの時間カーテンを見ていたのかわからないのですが、この出来事を僕は鮮明に覚えていて、今でもその時のおひさまの匂いや、カーテンの動きを時折思い返します。

あの時の平凡でなんでもない時間は僕には特別で、おそらく一生覚えているのだと思います。

つまり「時間の流れと心のかたち」とは「時間の流れは一定ではなく、伸縮していて、濃縮された時間はかけがえのない深い記憶として心に刻まれる。」という現象を指しています。

時間の流れは科学的には一定で、でも、心のあり方で感覚的に伸縮してしまう。
僕はこの現象にとても心惹かれました。

そして僕はこの現象をテーマに物語をつくりました。
「赤靴のポイカテュットと足長鳥」「もくもくひげのピエネペルナと不思議なカリンバ」という2つの物語です。

この物語を小さな本とポスターにしてマレーシアのギフトショップで販売しました。2018年だったと思います。

それから僕は作品を描くとき「時間の流れと心のかたち」をテーマにしているのです。

NFTコレクションpakapo(パカポ)は毎日更新されるキャラクターが紡ぐ物語です。その物語のテーマもまた「時間の流れと心のかたち」になっています。

pakapo(パカポ)
https://opensea.io/collection/paka-paka


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