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とかく反共主義者というのは・・・

 世の中には変なひとがいるものです。商品を輸出する大企業が還付金をもらって得をしているという説はまちがいだと主張するのはいいが、机上の計算でそう言っているだけで、税務署の帳簿ひとつ調べもしないのだから呆れます。

 批判の対象になっているのは、共産党系の全商連の機関紙に掲載された記事で、税理士、湖東京至氏の書いたものです。
 https://www.zenshoren.or.jp/2018/11/05/post-819?fbclid=IwAR1JecC-eNYluLNZXJGu6kVsGNfS7qoPQ0OE2C28xta2686SKAQlsjo9_kY

 同様のことは、ジャーナリストの斎藤貴男さんも根気よく説いてまわっています。

 そして、それを「論破する」と称する中島聡氏というひとの記事がこちら。
 https://www.mag2.com/p/news/225147/amp?fbclid=IwAR37tVMUXoIm5Cao98pD4ug52MkhS_X6Ef0X1pCOwqs2yVdhoDru8KNLsJA#aoh=16013142358939&referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com&amp_tf=%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9%3A%20%251%24s&ampshare=https%3A%2F%2Fwww.mag2.com%2Fp%2Fnews%2F225147

 ぼくにはさっぱりわけがわかりません。

 湖東京至、斎藤貴男両氏が問題にしているのは、大企業が海外に輸出する商品について外国から消費税を受け取れないので、国から還付金をもらっているが、じつは輸出については、消費税を国に払っていないので、結果として、正直に納税している中小企業から国に入った税収の一部を横取りすることになっているということです。
 これを否定するのなら、それが事実でないことを証明すべきですが、中島聡さんというひとが書いたこの批判記事は、税務署の帳簿を見たわけでもなく、たんなる机上の計算、それも話を単純にするために端数のない仮想の数字にした、ほとんどたとえ話みたいなものを書いているだけなのです。このような計算は大企業が消費税を税務署に払ったことが前提になっているので、要するに中島氏は、証拠なしに湖東氏の主張を否定しているだけなのです。

 これを、Facebookのあるグループで紹介していた人物は、高校生時代にマルクスを読みふけって、その後遺症が続いたとか書いていて、要するに幼稚なアタマで読んでわけがわからなかったのを著者のせいにしているだけです。

 マルクスの本は、普通の少年が読んで容易に理解できるものではありません。マルクスは『共産党宣言』を書いたとき28歳にはなっていたはずで、人生経験のあるオトナの文章です。しかも、彼の書くものは、ドイツ観念論哲学の用語が使われていて、それを日本で近代になってこしらえた訳語で書いてあるのだから、ちんぷんかんぷんでもおかしくないのです。訳もよくなければなおさらです。あれを無理にアタマに詰め込んで、血気にはやるひとたちが変な過激な運動をやったからといって、それがマルクスのせいだというのも酷な話です。

 このひとは、少年時代に読んだマルクスをちゃんと理解し、その間違いに気づいたと言いたいらしく、自分は少年のときからそれだけ高度な知性の持ち主だったというプライドを捨てられないでいるのでしょう。

 少年時代、あるいは青年時代にわかったつもりだった本を改めて引っ張り出して読んでみると、まるきり読んだ覚えのないことが書いてあったりして、新鮮な発見があるものです。

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