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「どこかで会った誰かのようなstories」「うさぎくんは自転車を走らせる」「うさぎくんと自転車」「QとKと平和の種」「ビルドストーリーズ」「彼女の空模様はインコンプリート」
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2021年8月の記事一覧

「日給をもらって花占い ご褒美を買って帰ろう」

会場バラシの仕事 アレンジメントの花 一輪もらって 占ってみた 世界は壊れる 世界は壊れない 日給もらって帰宅 電車の窓越し いつもの風景 夜明けを待つ 準備はできてる 準備はできてない ご褒美を買って帰ろう 誰かのロックンロールでは 空気を突き破れないから ジブンのロックンロールを誰もが探したがる 完成度の問題なんて気にしてない 無条件の震えることができるかどうか ジャンプした着地は100点となったとしても また次のジャンプをしてる 未来をどうすることは

「ポニーテールを揺らすcoverシンガーは女神のウインク」

ポニーテールを揺らすcoverシンガーは女神のウインク 彼女が歌う「Something Just Like This」は癒しのミスト ゆっくりと空気を変える ソバージュを揺らすダンサーはキス顔で合図 「Shape Of You」で脳がほぐれたら 「Hand clap」で「Hand clap」しよう リズムに合わせるのではなく リズムに抵抗するのではなく リズムと仲良しになろう クラッシュした昨日は自然淘汰のグルーヴにゆだねて 機能しない昨日は掲げる旗のバイブスに任せて

平和の種#13「問われた幸福感」

Qは 幸福感を問われるといつも あきらめたように 幸せだよと返事をする あんなに嫌だった大人になっても あんなに嫌だった結婚をしても 古い友だちとは交流しなくなっても 新しい人間関係の中で日々を過ごしていても グローバルなニュース エンターテインメントなニュース 脳をシャッフルされながら 音声で検索するのは何でもないムービー 美しいとされるものを見るたびに Qは自分の出生地の夜景と比べている 感動的とされるものを見るたびに Qは自分の出生地の記憶

平和の種#12「夢中が途切れるたびに」

キャビネットを捨てることになって 絨毯の上 スペースができることを想像している Kは 上手に生きていこうとするうちに 少しずつ あざむく方法を覚えてゆく 自分を 周囲を 夢中が途切れるたびに 自分が一番嫌いな自分になってゆく思いで 胸がいっぱいになる そんなときに限って 言われたくなかった言葉ばかり 次々と浮かんでくる いつからか 鞄を持たなくなった いつからか メガネもかけなくなった 無防備になってしまいらしい Kは 取って付けたよ

うさぎくんは自転車を走らせる(覚悟)

うさぎくんは自転車を走らせる 不器用をさらけ出したくなくて 安全な道を選んで 花は欲張ることはできない 置いて行かれる恐怖は感じているのだろうか 咲くのも枯れるのも自然の中 計画通りに成長するってことはないんだろうなぁ あそこの横断歩道を渡る人のように 2秒を待てない経験なんて そこにしか咲けない花にはないんだろうなぁ うさぎくんは自転車を走らせる 不器用をさらけ出したくなくて 安全な道を選んで うさぎくんは自転車を走らせる 吹けない口笛を吹く真似

「詩人前夜」

ろうそくの炎が揺れているような鼓動(こころ) はじめて世界と向き合えたような夜 怖いものがたくさんあるけど 立ち向かってみようと震えた あの季節みたいな夜 人生をかけて 自分を極めようとすると 宗教性を帯びる 帯びてくる 真理を求めることが宗教性と言うなら ただ地上に生まれた命 そこにスタートラインがあって 人生をかけて 自分を極めようとすると 同時に社会性が欠乏する 欠乏してくる 既存のシステムに適応することを社会性と言うなら 人は生まれながらに笑えるようになっ

「人生の解決策」

フライ返しはナイロン制 熱に溶けたところがいっぱいで デコボコ シンクの調子は悪くて 水がたまりっぱなし なんか違う どこかの誰かがとぼけているのでしょうか 人生の解決策はビッグマネー それとも惜しまない努力 still walking towards the exit still walking towards the exit 生きている時代に楽になれないとわかったとき 魂もオークションで売ってしまいたくなりますね 試練ですね 外に出たいのに くつひもが結べ

「Utaに愛されたい人」

ようやく 染み込んできた歌詞 姫と呼ばれることに疑問を投げかけた彼女の声に乗って 幾層もある感性の奥に しっとりと 心は止まりそうな予感 きっとこれは 釘付けね 生まれてきて 生きてきて たどついたのはUta 生まれてきて 生きてきて ふりしぼれるのはUta 許しを請いつづけるようにUtaを探して 神様が与えてくださることを信じて Utaに浸ってきた 自分が何者かなんて わからなくていいから 生まれてきてよかったと Utaに愛されたい

「幸福の偏差値 平和の偏差値」

会話下手どうしの間に入って 静けさがスローなリズムを取っている 光の粒よ もう少し もう少しだけ楽しそうに踊れ 窓辺の彼女 ソファーの上の彼 目に見えないものを信じようと言いながらも ちゃんと言葉にしてほしいと要求 自己矛盾に苦しむのは彼らばかりではない きっと多くの人は 誰にだって間違いはあると 名言を残した義人に向かって言葉を1度くらいは返している 幸福の偏差値は100ではなくて 平和の偏差値は願う半分にも届かなくて 完璧な世界で暮らすことはで