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「どこかで会った誰かのようなstories」「うさぎくんは自転車を走らせる」「うさぎくんと自転車」「QとKと平和の種」「ビルドストーリーズ」「彼女の空模様はインコンプリート」
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2020年9月の記事一覧

「君が下手な嘘をついてくれたら真実を探せるのに」

教室にいたころの君は何を手にしたんだろう 逆らえなかったころの君は何を手にしたんだろう 約束をほしがる手は まっすぐ伸ばされて 約束をほしがらない手は ふりほどくようにしまい込まれて 人の子の表情は育ってゆく 人の子は大人になってゆく ごまかした感情は 消えない どこかに隠れて 潜んでいる それ以上は 空に落書きをしないで 自分から 自分の青い空に 落書きしないで ルールを変えたがる君 ルールを知らない君 ルールを守れない君 感情がフェイクされる 表情がさまよう

「生まれたり 止んだり あなたの永遠」

風が生まれたり 風が止んだり 季節が変わってゆく 点滅のシグナルもなく 雨が続いたり 雨がなかったり 季節が変わってゆく 夏が春を追いかけて 新しい時間は 新しい季節は 曲がり角を曲がってくるわけじゃない 隠れていて意表をつくわけじゃない まっすぐ まっすぐ 時間は流れている 季節は変わってゆく あなたの永遠は あなたが作ったメロディーに 守られる あなたの永遠は あなたが紡いだ言葉に 守られる 記憶に閉じ込められた痛みに 自由をあげよう 手を放せば

「おねしょをしたあの子とストレッチャーで運ばれる父親」

深い思想のジャングルで迷子になったグループA 浅い思想のジャングルで上から目線が空振りしたグループB チープな共感に藁をもすがる 彼らは猛獣に追われている それは出会ったことにない価値観 共感のレートはどんどん下がってゆく テロップが間に合わないニュース 真実のスピードは デマのスピードに負けている 3秒もしないうちにスタンダードは変わる 放り出されたような君は 架空が生み出す「しきたり」に洗礼を受ける 君の時間で君の陽は沈むのに 君の哲学で君の陽は昇るのに 君の気ま

「模倣しなくなったら人生の魔法が解ける」

模倣しなくなったときから 魔法が解ける バトンもホウキも幻だったように 終わりかけている人生に 何も飾るものはなく 深い意味のない話を 気ままに続けている 本を開いても テレビを見ても 心が動くに値しない場面がひとかけら ふたかけら 誰かが こんなところに こんなものを 捨てている 意識の 世界の路地裏 回収する車が通らない 否定すべき周波数  否定すべきサークル そこに立っていると大波小波 そこに立っていると円で囲まれる 誰かが こんなところに 余計なものを 

「運ばれないハーブティー ~きょうは誰かが幸せになれますように」

axess!axess!揺れ動いている 宇宙は膨張している 夢は膨らんでいる 欲望の表面張力 浮足立っている 前よりも世間知らずになってゆく 移民を受け入れて 人口を保つ 移民を拒まずに 人口を増やす 国力(経済)を維持する ギャンブルのような展開になるのだろうか 移民を受け入れると 形として移民を受け入れている、どこかの国にように 人種差別に恐怖することになる 覚悟が 必要になる 都合のいい憂いで 世界は守れない 手をつけないカボチャとオレンジの冷製スープ 配置され

うさぎくんと自転車(against the wind)

うさぎくんと自転車(against the wind) 重い ペダルが重い 前に進まない 向かい風だ 前に進まない ガソリンスタンドを 通り過ぎるところ ペダルが重い ガソリンを 入れ終えて 出ようとする車が 待ってくれている 笑顔も作れない 会釈もできない 風が強い 立って自転車をこいでも 進まない あきらめた! 降りて歩いたほうがはやい 一気に足が軽くなった 止まってくれてるドライバーに 深く会釈をして 自転車を押して 通り