【俺はこれで 音楽を廃業します】
21stアルバム『takteq reta/ タクテクレタ』マスタリング終了
7ヵ月にわたるポストプロ 長い 長い 戦いが終わり
深夜の四国のホテルとスタジオをつなぐスカイプを閉じようとしたら・・・
エンジニアから
「もうひとつ話があります いいですか」
「俺はこれで 音楽の仕事を廃業します このままでは死んでしまう おつかれさまでした」
23年前の帰国凱旋公演でバッタリ会い 19年前の6thアルバム『Ⅱ』から21枚目の『takteq reta』さらにはコンピレーション作品 楽曲提供 テーマ曲制作 サウンドトラック制作など
今沢カゲロウ名義のほとんど全ての作品に関わって来た
エンジニア兼作曲のコラボレーターがいました
私はソロとしての活動を37年続けていますが
19年前から 私にとっては家族以上に長い時間を共有し 沢山の議論を重ね 切磋琢磨し 共に成長し プライベート以外のすべての創作に関しての話を共有してきた方です
私はソロながら バンドメンバーだったといってもいい存在
その彼が この仕事を『takteq reta』を最後に音楽を廃業すると
寝落ち寸前にこのことを言われ
当然引き留める筋合いもなく 全く気持ちの整理がつかぬまま
今も同時進行でたくさんの業務をかかえながら移動を余儀なくされている たった一人の自分がここにいます
「だから これは今沢カゲロウの最高傑作だと思う
そういう音になってるでしょ？今までとは格が違う」
ミックスダウン冒頭を公開後 あれからさらに3回も録りなおし
マスタリングで全曲通しで聴きながら すでに全く違うとんでもないレベルの音楽に変貌していたことに気がつく
その音源は今 私の手元にありますが
それを一緒に作った彼は もうこの世界にはいない
最後にこの言葉をのこして
「俺も今沢さんよりだいぶ若いといっても もうおじさんなんですよ」
「今沢さんはこれから 10代以下の 若いクリエーターと組むべき 凄い才能が物凄いスピードでたくさん出てきているのはわかってますよね？ これからは1枚ずつ1曲ずつ 人を変えたっていい あなたはそういう人」
これから本州に向かいます
今夜は大阪 真っ赤な通天閣
今沢カゲロウ
(本日より公式サイトのドメインが変わりました)
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