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“赤べこ”をインドへ届け、共に疾病退散の役に立てたい。(#7)

新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受けて、日本ではアマビエという得体の知れぬものがSNSに端を発し、賑わったのは記憶に新しい。
尾鰭があるので一瞬“あまえび?”と読み違えた人もいるのではないだろうか。
斯く言う私もその一人だが、あんな姿なら“甘えび”でもきっと妖怪に違いない。
そう、アマビエは妖怪なのである。


そしてアマビエ同様、“疾病退散”の意味を持つのが赤べこである。
赤べこは牛である。“べこ”は福島県会津地域の方言で"牛”を意味する。
“さんち~工芸と探訪~”サイトによると
古くは「厄除け牛」や「幸運の牛」と呼ばれており、魔除けや疫病除けの縁起物として親しまれていた。

赤色には病気を退散させる呪術的な意味があり、黒と白はかつて疱瘡が流行したとき、その病気が治ることを祈念して描かれたものだそうだ。

呪術的な意味は民間信仰に由来するものが多い。
殊、日本の場合、歴史上、縋る神が多数存在してきた。
そうした背景から、様々な人間の、人間による都合の良い“神の選択”が可能になった。
世界の地域によっては、これは全く不謹慎な発想かもしれないが、
逆説的にいえば、神と距離をとりやすい環境だったといえるのかもしれない。


以前『PAD MAN~5億人の女性を救った男』について書いたが(※No.4参照)、主人公ラクシュミを演じたボリウッドスター、アクシャイ=クマールは熱心なヒンドゥー教徒で、彼は新型コロナウイルス感染拡大を受け、毎日牛の尿を飲んでいるそうだ。
あるいは尿に限らず、糞を食べれば、病が治ると考える人も多くいるらしい。何かに縋っているということは同じなのかもしれない。


赤べこは牛だ。ヒンドゥー教国インドで牛は特別な存在だ。
赤べこは玩具だ。それに信仰色も弱い。広い世代に、かつ異国の文化にも受け入れ、愛される、そんな橋渡しになれる可能性をふと感じた。
ただスペインの“闘牛”にだけは見せてはならない。彼らは血の気をもって襲い掛かってくるだろうから。

関心の深堀
・三国志 赤兎馬の赤
・民間信仰と色彩
・干支

頂いたものは知識として還元したいので、アマゾンで書籍購入に費やすつもりです。😄