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Battlefield 2042 一連の騒動に思うこと

近頃Battlefield 2042 というゲームがFPS界隈を賑わせているので整理してみようと思い以下に記します。


概略

BF2042というゲームが発売され、バグの多さや大会の炎上により話題となった。


Battlefield 2042とは

Battlefield 2042(BF2042)はエレクトロニックアーツ(EA)社より発売されたFPSゲームであり、今作では64対64の128人対戦の大規模戦闘に対応するなどカジュアルFPSとしてファンの多いBattlefieldシリーズの最新作である。


どうして話題になっている?

①EA社肝入りの最新作

まず今作が話題になっているのはBF2042がEA社が近年注力していたビッグタイトルであるのが理由である。

BF2042の1つ前のシリーズタイトルはBattlefield V(BFV)という第二次世界大戦を舞台としたゲームである。BFVもビッグタイトルだが華々しい成功とは言えなかった。その理由の1つが「プレイヤーコミュニティの軽視」である。

BFVより前のシリーズでは手軽なカジュアルプレイと同時に、プレイヤーによるコミュニティの活動がBFタイトルの活性化に寄与していた。例えばBattlefield 3 やBattlefield 4 においてはプレイヤーが自身のサーバーにおいて独自のルールを設定して試合をメイキングできるシステムが実装されており、それらのサーバーの中には2021年現在でも賑わいをみせているものもある。

しかしBFV発売当初においては、プレイヤーが独自にゲームルールをカスタマイズできるシステムは存在せず、プレイヤーコミュニティの不評を買ってしまった。そのためBF2042においては発売当初からプレイヤーが試合をカスタマイズできるBattlefield Portalが用意されたり、後述のプロモーション等による新たなプレイヤー層の開拓にも注力していた。


②コミュニティへの迎合を意識したプロモーション

BFVの反省を踏まえコミュニティへの迎合を意識したEAは、BF自慢のお祭り感やプレイヤーによる有名なプレイングをイメージしたトレーラーを公開するなどコミュニティの活発化を狙ったプロモーションを行なっていた。また、EA JapanにおいてはYouTuberのHIKAKIN氏を起用したPVを公開するなど発売前から話題を呼んでいた。


③発売当初のバグの多発

発売前から様々な話題を呼んだBF2042だったが、発売当初は好まざる別の理由で話題となってしまった。ゲーム内に様々なバグが存在し、快適にプレイすることができなかったのである。しかしBFシリーズは発売当初にバグが多いことは広く知られており、BFシリーズがカジュアルFPSであることを考慮すれば、個人的見解だがこのバグの多発がBF2042の不評を買う最大の要因にはなっていないと考えている。


④大会の炎上

BF2042発売翌日にはストリーマーやお笑い芸人を集めた大規模な大会が催された。しかしこの大会はコミュニティの不評を買って炎上し、BF2042を一躍有名なものにした。個人的見解だが、炎上最大の理由は大会運営(EA Japan)の企画対応力不足であると考えている。

大会が不評を買った要因の一部としては以下が挙げられる。

・大会直前まで出演者の詳細が公開されない

コミュニティへの迎合を意識し、新たなプレイヤー層開拓を狙ったプロモーションのために大会では普段BFをプレイしていないストリーマーやお笑い芸人を起用したが、出場者のリストが大会直前まで公開されることはなかった。お気に入りの配信者を通してBF2042を知ってもらうことが目的であるのに、誰が配信するのか分からないのではプロモーション当初の目的を果たすことは難しかったのではないかと考える。


・エラーやバグの頻発、それに対する対応不足

先述のようにBFシリーズは発売当初にバグが多いゲームであり、BF2042もエラーやバグが頻発していた。この点については開発の問題であり、大会運営がどうにかできる問題ではないが、運営のトラブルへの対応力は不足していたと考えられる。ストリーマーのSoVault氏は「事前に大会運営にバグの内容を報告したが、運営はバグが発生した人へのマニュアルを用意していなかった」(動画参照)と述べている。トラブルへの対応が運営のEA Japanによって不可能なのであれば企画自体に不足があったのではないかと考える。


・出場者への説明不足

大会には多数のストリーマーやお笑い芸人が出場していたが、出場者へのルール説明や大会本配信終了の告知を行わなかったこと(本配信終了を知らない配信者達は引き続きゲームをプレイしていた)などは、出場者への説明責任を果たすことができなかった大会運営の不手際としてコミュニティから大きな不評を買ってしまった。この点については大会運営の対応力が不足していたと考える。


まとめ:けっきょく何が悪かった?

長々と問題を述べたが、BF2042一連の騒動の大きな理由は

・ゲーム側の問題(エラー、バグ)

・大会運営側の問題(企画対応力の不足)

に大別できる。

コミュニティへの迎合を念頭に置いた今作がコミュニティから大きな不評を買ってしまい、日本におけるBF2042は厳しい船出となってしまった。ゲーム側はEAと開発のDICEからのアップデートがアナウンスされており改善に期待したい。運営側としては今回はこれまで続くEAの悪評を裏付けるものとなってしまった。もし次回大会があるのであれば、自社のゲームをよく理解し入念な準備を行うことを切に願う。


BFファンの1人として今作の大きな発展に期待します。

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