無題(*こういうタイトルです)

メルカリにて着払いで購入した54-71のアルバム「Untitled」(通称:ダルマ盤)が届いた。彼らのアルバムはサブスクに何故か1枚しかないのでメルカリ等で探して買っているのだが、今回は着払いというのを確認せずに購入してしまったので、大変焦った。前に一度、ギターのスタンドを買う時にメルカリ着払いで購入してしまい、商品の値段1200円に上乗せで着払い代1200円がかかってしまうという経験をし、着払いか送料込みかはよく確認するよう誓いを立てたはずだったが、今回はその確認を怠ってしまった。今回も1200円くらいの着払い代を想定していたが、実際は331円という予想を大きく下回る金額だったので逆に驚いた。肝心のアルバムについてだが、良い。54-71のスタイルが確立されたインディーズ時代の2枚目のアルバムとされているが、音質が前作から格段に向上しているらしく、ドラムの鳴りが素晴らしい。そしてベースのフレージングが異常だ。不気味で気持ち悪くてかっこいい、私の理想とするベースプレイングの一つだ。好きなベースリフランキングをつけたら上位が彼のリフで埋まるのではないだろうか。

先述の通り54-71というバンドのアルバムはspotifyやapple musicといったサブスクリプションサービス上にはなぜか一番新しいアルバム(それでも2008年のもの)の1枚しかなく、それ以外にも6枚ほどある彼らのアルバムを網羅できていない。なので、クラピカが仲間の緋の目を取り返す如く、私は残りの作品を手にするためメルカリで「54-71」と調べてはいい感じの値段で買えるものを日々探し出しているのである。


今作のタイトルは「Untitled」であるが、私は基本的にタイトルに「untitled」とか「無題」とかつけることをあまり好ましく思っていない。そうなった経緯を説明するには昔へと遡るのだが、私が小学五年生の頃、クラスの一部で漫画を描くのが流行った。教室の後ろの棚でイナズマイレブンのキャラクターが試合をしている漫画やコロコロコミック風のギャグ漫画が連載されていたことを覚えている。ちなみに私は当時「バクマン。」の影響でガチで漫画家を目指していたので、クラスの人たちの様なノリで漫画を描くことは浅いことだと思い、その流行りには乗っていなかった。そんな豪華な連載陣の中にクラスの女子が描いていた少女漫画があった。表紙の作品タイトルの部分には大きな文字で「無題」と書いてあり、その下に付け加える様に括弧書きで(*こういうタイトルです)と書いてあった。それを見て表紙でいきなり「???」となった。「これは適切なタイトルを思いつかなかったからこうなっているのか?」、「それともわざと無題というタイトルをつけているのか?」と混乱した。(*こういうタイトルです)という注意書きがあるので後者に決まっているはずなのだが、それが逆に「この注意書きも含めてタイトルなのか?」と混乱を加速させてしまった。漫画の内容は目も当てられないものだったが、明らかに「無題」という漢字二文字のタイトルから出る骨太で殺風景なイメージと内容がマッチしていなかった。バガボンドの様な漫画だったら仮に「無題」とついていても違和感はあまりなかったかもしれないが、鬼滅の刃が「無題」というタイトルだったならばとんでもないヘイトを生んでいただろう。そんな「無題」というタイトルが混乱を招いて以来、「無題」や「untitlted」というタイトルには辟易していた。しかし、リスペクトしているアーティストのものとなると話は別である。今作も例外ではなく、楽曲の雰囲気は「Untitled」というタイトルにマッチしており、「Untitled」というタイトルは適切どころかもはや最善のタイトルではないかと考えられる。だがこのようなタイトルをつけて許されるのは一部人々であり、このnoteを読んだ方は、安易に「無題」という名前をつけないように気をつけていただきたい。それでは。

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