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帰り。友達とふざけ合いながら歩いて駐輪場へ行く。

グラウンドの方を見れば、彼がいるかもしれない。それでも目を向けることはできない。

彼に見られても大丈夫なように背筋を伸ばして歩く日課。

*


後ろからなにか気配を感じた。というか、感じた瞬間には素早く私を追い越す。綺麗な風が。

どんな風だっただろう。

サラサラな風で、素敵な後ろ姿を見せた風だった。彼は走って私たちを抜かして行った。

そしていつの間にかかえっていった。