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【ネタバレあり】何も知らない人が予習せずに噂の「キンプリ」を観てみた

【※この記事には大量のネタバレを含みます。これから観る予定の方やネタバレされたくない方はご遠慮ください】


タイトルの通りです。
巷で噂の“キンプリ”こと「劇場版 KING of PRISM by PrettyRhythm」を観に行ってきました。
敢えて何も予習せず、公式サイトすら見ず、まっさらな状態で。

「とある映画がすごいらしいと聞いたので何も調べずとりあえず観に行く」
という行動に出たのははじめてではありません。
過去に2度やっております。
具体的には「パシフィック・リム」と「マッドマックス 怒りのデス・ロード(極上爆音上映)」。
で、どちらも楽しめました。
ので、今回もいけるはずだ、という謎の自信に基づいての行動であります。

さて、自分からは何も調べていないとはいえ、熱いプレゼンだったり又聞きだったりで知っていたことは幾つかありました。
ざっと並べてみると……

【観る前に知っていたこと】
・アニメ映画らしい
・主人公は男子らしい
・Twitter上で謎の大人気
・安心と信頼のフォロワーさんたちが続々と陥落
・リアル友人知人各位も続々と陥落
・観終わるとしばらく「キンプリはいいぞ」か「EZ DO DANCE」しか言えなくなるらしい
・本編は約1時間しかないのに猛烈に濃いらしい(フォロワーAさん談)
・観ると腹筋崩壊するらしい(フォロワーBさん談)
・応援上映をやっているらしい

「キンプリはいいぞ」はわかる。私も「マッドマックスはいいぞ」と言いたくなったことがあるので、わかる。
応援上映もわかる。私、タイバニ好きなので。
(タイバニ=TIGER & BUNNYでも公式絶叫上映会をやっていました)
それはわかるけれども、EZ DO DANCEは何事なのか。
この表記は間違いなくTRF……
なんなの?? テツヤコムロレイヴファクトリーなの???

……ということで、謎がありすぎる故に観に行くことにした次第です。
新宿バルト9で上映しているということだけはTwitter経由で知っていたので、そこで。

ちなみに、私自身はこんな感じの趣味趣向ですのでご参考までに。

【筆者のスペック】
・女
・社会人歴はそこそこある
・もの書き
・メイン属性は音楽マニア
・アニメは好きだけど詳しいという程でもない、けれど気になる声優さんやスタッフさんは調べてお名前を記憶しておくタイプの視聴者
・とはいえ子供向けの作品はさっぱりノータッチ
・腐女子ではない
・夢女子でもない
・少女漫画よりも青年漫画を、日常系よりもSFを、ファンタジーよりもハードボイルドを好む傾向あり
・つい最近まで「画面がついているゲーム」は自分では一切やっていなかった。テレビゲーム然り、アーケード然り、ソシャゲ然り

さて、平日17時過ぎの新宿バルト9に無事到着しまして。
収容人数最大のシアター9(429席+車椅子4席)へ。
いちばん余裕のありそうな時間を狙ってみたものの、それでも席は9割くらい埋まっているように見えました。
そして大半は若い女性。学生さんですかね。そろそろ春休みだと思いますので。
もちろん大人の男性もいらっしゃいましたし、カップルで来ていると思わしき方々も目撃しました。
客層の裾野は思いのほか広いようです。

チェック済みの半券と謎の白い紙を受け取り着席し珈琲を飲んでぼーっとし、数多の映画の予告と映画泥棒タイムを経て、いざ本編に挑み、約1時間後に上映終了。

まず、内容をざっくりまとめると……

氷上のアイドルライブ「プリズムショー」が存在する世界。
プリズムショーでは、アイドル「プリズムスタァ」たちが持ち技「プリズムジャンプ」をきめることで、客席にいる人々にキラキラ輝く夢を見せることができる。
不思議な少年から不思議なきっかけを与えられ、男性3人組プリズムスタァグループ「Over The Rainbow」のプリズムショーを観た少年・シン。
大きな衝撃を受けたその帰り道、ひょんなことからプリズムスタァにスカウトされ、全寮制の訓練所「エーデルローズ」に入ることに。
エーデルローズの先輩であるOver The Rainbowに直接会って結成秘話を聞いたり、エーデルローズ所属の候補生たちや寮長と親睦を深めたりと、前向きにプリズムスタァを目指し歩みを進めるシン。
しかし、少し前まで栄華を極めていたはずのエーデルローズは、対抗勢力「シュワルツローズ」に追いつめられ危機的状況にあった。
そして、Over The Rainbowのメンバーにして天才作詞作曲家のコウジに、海外から巨額のオファーが舞い込んでくる。巨額であるが故、拘束も強い。
その頃、同じくOver The Rainbowの“ストリートのカリスマ”カヅキは、突然現れたシュワルツローズのストリート系候補生と直接対決することに。
もう一人のOver The Rainbowメンバー・ヒロは過去を振り返り自問自答する。
最も女の子の心をトキめかせたスタァを決める「プリズムキングカップ」を来年に控えた今、Over The Rainbowはどうなるのか? エーデルローズと候補生たちの未来は?? あの不思議な少年は誰なのか???

こんな感じ。

正直に申し上げます。巷で言われているほどトンデモ映画ではありません。

おそらく、ネット上で「腹筋崩壊」と言われているのは、プリズムショーとプリズムジャンプの効果演出についてかと思われます。
まず、プリズムショーのシーンはCGを多用しています。
一度観ただけなので詳しくはわかりませんが、2D作画と3DCGが合わさっているように見えました。
ラブライブ!アニメ版のライブシーンやプリキュアシリーズのEDと同じ感じです。
なので、ぬるぬる動きます。
(ちなみに、スタッフロールの「プリズムショー演出」欄にラブライブ!アニメ版監督の京極尚彦さんのお名前がありました)
で、ぐるぐる動いて歌い踊りながらプリズムジャンプをきめるわけですが、プリズムジャンプがきまるとオーディエンスはどうなるかといいますと、前述の通り、夢を見ます。
寝てしまうわけではなく、プリズムスタァが作った妄想の世界に引っ張り込まれるようなもので、簡潔に表すならば「合法で前向きな幻覚」といった感じでしょうか。
例えば、

・ライブ中なのにプリズムスタァが増殖してこちらに飛んでくる(という幻覚)
・ライブ中なのに天蓋付きのベッドでプリズムスタァと添い寝(する幻覚)
・ライブ中なのにプリズムスタァと自転車を二人乗りして爆走(する幻覚)
・ライブ中なのに銀河鉄道よろしく天空から電車が来る(という幻覚)

などなどなどなど。
ファンシーなものからわりと硬派なものまで、多種多様な幻覚が登場します。
少女漫画の世界を濃縮したところに砂糖をどっさり加えて練り上げたような、夢女子の妄想を極端にして映像化したような、そんな感じです。
(※夢女子=好きなキャラクターと自分との恋愛や絡みを夢見る女性)
たしかに最初はちょっと面白いというか「うわぁ……」となったりもしましたが、不思議なことに途中で慣れてきてしまいまして、終盤には「そういう技なんだな」と冷静に観られるようになりました。
なので、冷静になれれば腹筋崩壊まで至らず、ストーリー本編から視点がブレずに済むかと思われますので、これから観に行かれる方は是非お試しください。

続きまして、ストーリー本編について。
アイドルが一般人にもたらす光については上記のような形で描写されていますが、一方でアイドルの世界の光と闇、裏側の大人の世界のドロドロ、才能に溢れるが故の苦悩、などもたっぷり混ぜ込まれています。
わりと骨太です。そういう意味では、子供向けではないのかもしれません。
しかし、夢もあります。未来もあります。
そして、この物語には主人公的な視点が2系統存在します。
プリズムスタァに魅せられ、自分でもその道を歩みはじめたシンからの視点。
岐路に立つOver The Rainbowの3人、特に“絶対的アイドル”担当のヒロからの視点。
その2つが複雑に混ざり合っており、「どちらかがメインでもう一方がサブ」というわけではありません。
ですので、どちらからでも観られますし、どちらから観ても楽しめます。
私は途中までシン視点で、途中からヒロ視点で観ていました。
もちろん、敵キャラや味のある脇役もいます。お好みでどうぞ。

そして噂の「EZ DO DANCE」について。
TRFでした。紛うことなくTRFの「EZ DO DANCE」でした。
しかも、もう一曲出てきました。「BOY MEETS GIRL」
使われ方や話の流れからすると、どうやらあの世界では鉄板扱いというか、プリズムスタァがカバーしていたり、候補生の練習曲になっていたり、そういった感じなのではないかと思われます。
(が、確証はないので、もし違ったら申し訳ありません)
ちゃんとエンドロールにも劇中曲としてクレジットが載っていました。小室さん!
……しかし、私でさえギリギリわかる世代ですのに、バルト9を埋め尽くしていたおそらく学生と思われる若い女性の方々や、EZ DO DANCEとBOY MEETS GIRLで歌い踊る様を演じている若手声優の皆様は、果たしてTRFをご存知なのでしょうか……。
もし、これを機会にTKサウンドリバイバルが来たとしたら、それはそれは素敵なことだと思いますので是非よろしくお願いします。
個人的には、BOY MEETS GIRLの歌詞はとてもキンプリに合うと思いますよ。

さて。上映が終わり、一息ついてから気付いたことがありました。
入場時に頂いた謎の白っぽい紙。
よく見ると「次世代プリズムスタァ選抜総選挙」の文字とシリアルコードが。
劇中に名前だけ出てきた「プリズムキングカップ」の出場シード枠をかけたキャラクター総選挙とのこと。
なので既にプリズムスタァであるOver The Rainbowの3人と非プリズムスタァの脇役は対象外。
具体的には9人が対象、と……。
ということで、香賀美タイガさんに一票入れておきました。彼、良い味出してたので。

本編は約1時間。
尺は足りないです。本当に足りないです。
「俺たちの闘いはこれからだ!」で終わっているような状態です。
しかし、それでも満足感はありますし、少女漫画的な展開を苦手とする私でも楽しめましたし、たった1時間で推しを決められるくらいにはキャラクターの魅力が伝わってきましたし、こういった総選挙企画をやっているということは、続編に期待してもよろしいんですよね? ね??

以上を踏まえて申し上げます。

キンプリはいいぞ!!!!!

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