AM.9:55。規則正しく音を立て時を刻む古びた壁掛時計を忌々しげに見遣る。日光が遮断された部屋には冷ややかな空気が溜まりこみ、時折何処かの隙間から薄らと肌を撫で去っていく。床へ山と積まれた分厚い書籍達はとうに読み終え、幾度も読む内にあらかた記憶してしまっていた。

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