わたしの「気持ち悪い」

どろどろと。

自分で驚く程に

あの日嫌だったことや

あの日苦しかったことを

思い出すことがある。


どうして

なにが

あんな気持ちを産んだんだっけ?

と。

気になってしようがないときがある。


そんな時の自分は決まって

前の日によく寝ていて、

頭がすっきりしていて、

退屈でも眠気がこなくて、

ただ、貧血の時のあの

じらじらしたものが目の前を通るのだ。


自分で選んで苦しかったことよりも

唐突に失くしてしまったり

知らないうちに壊れたりしたものについて

そんな気持ちになることが多い。

奪われたとも

傷つけられたとも思わず、思えない、

あんなことに勝手に傷つくような

馬鹿な自分だったことを思い出す。


ああ、あのときの自分は

やっぱりびっくりして

そして、必ず期待をしていて

勝手にガッカリしたんだな、と思う。

浅ましく、

愚かしく

勝手に傷ついて。

阿呆だなと思うのだ。


そんなことを思いながら

そんなことを思う自分が、

血の通った人であることに気がついて

ちょっとうれしくなって

そんな自分に、気分を悪くするのだ。


けれど、

その全てを自分の

人間らしさ

みたいなものだと実感して、

よろこんで、

「気持ちが悪いな」と

卑下するのだ。


あのとき嫌いと思ったものや

あのとき悲しいと思ったものも

必ずわたしを形づくる何かである。

それを忘れるなと無意識に

平和ボケした脳が見せるのだろうか。


そして、それを毎度懲りずに受信して

毎度懲りずに繰り返して考えている

気持ちの悪い自分がすきだ。

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