文体についてのスケッチ

 私は文章をデザイン的にあるいはサウンド的に書くことが好きだ。ひらがなとカタカナと漢字のバランスを考えながら文章を書くこと。私は文章を書くときには目と耳のどちらも使っているような気がする。つまり視覚的にかつ聴覚的に気持ちのいい文章を書くこと。目で見たときに文章が気持ちいいこと。耳で聴いたときに文章が気持ちいいこと。私が(何についてであれ)文章を書くときにもっともこころがけているのはそういうことだと思う。

 あとは難解なことをできるだけ簡単に書くこと。世の中には簡単なことを難解に書いてマスターベーションしている文章が非常にたくさんあるし、私もついやってしまいがちなのだけれど、もっとも美しい文章というのは難解なものごとをいかにも簡単に語っている文章だと思うし、私はどちらかというと文章を書くことでセックスがしたい(もちろん譬喩です)。

 それから否定的でありながらなお肯定的であること、ネガティブでありながらなおポジティブであること、厭世的でありながらなお楽天的であること、クローズドでありながらなおオープンであることというのも、文章を書く上で私が気をつけていることの一つ。たとえば私はよく「死にたい」とSNSに書いてしまうのだけれど、その後にすぐ「生きたい」と書くようにしている。あるいは「死んでしまうことなく生きる」とか「死なずに生きる」とか。言葉はときとして無力だけれど、同時にものすごく力を持ってしまう瞬間もある。「死にたい」と書いてしまったとき、私は本当に死にたくなってきてしまう。だからすぐに「生きたい」と書くことで、何とか生きようとつとめる。何とか死んでしまうことなく生きていくには、文章を書く上でもネガ(陰)でありながらなおポジ(陽)であることが必要になってくると個人的には考えている。

 私は文章を書くことが好きだ。文章を書いているときにはとても幸せな気持ちになることができる。だからこれからも文章を書いていくだろうし、もしあなたさえよければこれからもときどきでいいので読んでいただきたい。書いた文章を読んでもらうということもまたとても幸せなことだから。(直接的にであれ、間接的にであれ)私もしくはあなたの生活に、何かしらの影響を及ぼすことができる文章を書いていくことが私の理想あるいは夢です。

 

thx :)