シティ・ライツ

病気みたいな街並みを歩いていく
シニシズムとセンチメンタリズムの間を
恐る恐る縫うようにして
僕は雑踏に紛れこむ

いつか薬を飲まなくてもよくなったら
あなたに連絡したいと思いました
はる・なつ・あき・ふゆ
時代がひと巡りしたらまた会おう

街の灯が光って夜が来る
疲れきったひとびとはみんな急いで
ベッドタウンへ帰る電車に乗って
私もその群衆の中の一人

あと一世紀経ってもきっと
(多少のテクノロジーの進歩はあれど)
私たちは同じような暮らしを営んで
同じように愛し合ったり憎み合ったり

衛星から見たら何てことのない光だって
ひとびとの毎日の仕事にちなんでいる
我々は恐ろしく愚かな生き物だけれど
せめて賢くありたいとつとめている

街の灯が消えて朝が来る
パン屋のかまどでは生地が膨らみ
みんな髭を剃ったり化粧をしたり
また今日も都市が温かく脈打ち始める

街の灯は光ったり消えたり
ひとびとの暮らしを見まもっている

thx :)