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スーパー銭湯はスーパー

 さいきんスーパー銭湯に行くのが趣味になった。

 私が利用しているのは某チェーンのスーパー銭湯で、初めのうちは施設のシステムや利用する上でのルールやマナーがよくわからなくてとまどった部分も多かったけれど、ちかごろは自分なりにコツがつかめてきて、オリジナルのルーティンもできてきた。もちろん会員カードも作った(入浴料が100円安くなる)。需要があるかどうかは別にして、今回はそのルーティンを紹介したいと思う(ちなみに私の利用しているスーパー銭湯には通常の風呂、炭酸風呂、ジェットバス、露天風呂、座り湯、壺風呂、サウナ、スチームサウナ、水風呂等の設備がある)。

①頭と体を洗う

 風呂やサウナを利用する前にまず頭と体を洗う。スーパー銭湯にはだいたい備え付けのボディソープとシャンプーとリンスがあるのでそれを利用する。一般的には頭を洗ってから体を洗うという人が多いと思うのだけれど、私は子どものころから体を洗ってから頭を洗うという順番で洗っていたので、いつもその順番に従って洗っている。頭のてっぺんから手足の先までしっかりと洗う。

②風呂に入る

 頭と体を洗ったらつぎはいよいよ風呂。まずは通常の風呂に入って体を温める。つぎにジェットバスに入ってしばらくジェットを体感する。それから炭酸風呂に入ってしばらくつかる。両腕と両脚を思う存分伸ばして目を閉じる。ここで1回目のトランス風呂トランス。世界のあらゆるできごとがどうでもよくなる。炭酸風呂は通常の風呂と比較して温度が低めに設定されているので、本当に何時間でもつかっていられるのだけれど、トランスがやって来たあたりで快感をじっくりと堪能して炭酸風呂を出る。

③露天風呂に入る

 炭酸風呂を出た後はだいたいいつも露天風呂へ行く。まずは通常の露天風呂にゆっくり入る。そのつぎに座り湯でリラックス。壺風呂は三つしかなくてほとんどいつも混雑しているので、座り湯でゆっくりとそのときを待つ。壺風呂が空いたらその瞬間を逃さずにすかさず壺風呂に入る。五右衛門風呂に入っているような気分で両腕と両脚を伸ばし、空を見上げる。降っても晴れても壺風呂は極楽。

④サウナ・水風呂・休憩のルーティンを繰り返す

 風呂と露天風呂にこころゆくまで入ったら、いよいよサウナ・水風呂・休憩のルーティンが始まる。といってもまずは水風呂から始めるのがこのルーティンを愉しむコツ。「風呂でせっかく温まった体を冷やすなんて馬鹿か!?」と言われても仕方ないのだけれど、誰に何と言われようと水風呂から始めるのが個人的にはおすすめ。「水風呂なんて冷たすぎてとても入れない」という方も多いかもしれないけれど、こればっかりは本当に慣れがものを言う。私も最初は水風呂には入れなかったけれど、何回かチャレンジするうちに難なく入ることができるようになった。

 水風呂に一瞬だけ入って体をクールにしたら、つぎはサウナへ行く。水風呂の水でタオルを濡らして絞り、水飲み場で水分補給をして、サウナマットを持ったら準備はオーケー。サウナに入った瞬間、ほとんど一瞬で体はホットになる。私の個人的なジャストタイムは5分。一般的なサウナーからするときっと私のジャストタイムは短い方だと思うのだけれど、これも個人差があるとは思うので各々のコンディションに合わせて好きな時間だけサウナに入るのをおすすめする。

 サウナから出たらサウナマットを置き場所に戻し、再び水風呂へ行く。水風呂に入る前に必ず備え付けの桶で体を洗い流す。そして一気に水風呂に全身でつかる。ホットになった体が一気にクールになる。水風呂の個人的なジャストタイムは1分だけれど、これも個人差があると思うので以下省略。

 水風呂から出たら近くの椅子で休憩する。実はこの休憩の時間がルーティンの中でもっとも重要な部分。早ければここで2回目のトランスがやって来る。サウナトランス宇宙が見える銀河系が広がる。飛び去る彗星。自転する惑星。一般的にはルーティンを何度か繰り返さないとトランスがやって来ないと言われているけれど、私の場合はもう最初のルーティンの段階でトランスがやって来た。もうこれは体験してもらわないとわからないと思うのだけれど、風呂トランスをはるかに上回る快感がサウナトランスでは体験できます。このルーティンを何度も繰り返してもいいし、一回でやめてもいい。アメリカ合衆国ではないけれど、スーパー銭湯ではあらゆることが個人の自由だ(もちろんルールとマナーは守った上で)。

⑤瓶入りの牛乳を飲む

 頭と体をしっかり拭き、更衣室で着替える。ドライヤーで髪を乾かす。冷房の前のベンチで一瞬体を冷却させる。その後で定番の瓶入り牛乳を飲む。銭湯といえば瓶入り牛乳。コーヒー牛乳を飲んでも、フルーツ牛乳を飲んでも、牛乳以外を飲んでも何でもいいと思うのだけれど、私はいつも普通の瓶入り牛乳(130円)を飲む。牧場で搾りたての牛乳を飲むのにはかなわないと思うけれど、少なくともコンビニやスーパーで買って飲むよりは何倍もおいしい。どうして銭湯の後の牛乳はあんなにおいしいんだろうか。永遠の謎。

⑥マッサージ機でマッサージ

 牛乳を飲んだ後はマッサージ機にマッサージをしてもらう。200円で10分。私が通っている施設のマッサージ機には無重力マッサージというモードがあって、リクライニングが何だかもうものすごいことになりながらマッサージを受けることができる。首、肩、背中、腰、手、足……。全身がもみほぐされていく快感。3回目のトランス。もうマッサージまできたら消化試合なので、風呂トランスやサウナトランスほどの快感はないけれど、このマッサージトランスにもなかなか捨てがたい快感があります。

 以上が私のスーパー銭湯のルーティンです。

 別にこれが正解ということもないと思うので、各々何回か行ってみてオリジナルのルーティンを作ってみてください。基本的なルールやマナーはどこの施設も同じだとは思いますが、施設によって設備が違ったり、混雑状況によってルーティンを変えたりしないといけないときもあったりするとは思うので。

 風呂トランス、サウナトランス、マッサージトランス……。色々なトランスがスーパー銭湯では体験できます。あなたもぜひ一度この快感を体験してみませんか(もちろん非合法ではなく合法)。一回はまったらもうやみつきになること間違いなしです。スーパー銭湯ジャンキー。

 スーパー銭湯はスーパー。

thx :)