ベースの日に、ジャズベースを語ってみようか。
中身を書きだしたのはベースの日が終わってからなのですが、ベースの日(11月11日)企画として、ジャズベースについて書いてみようと思います。
私がベースを初めて触ったのは高校生のときでした。本当はギターを志願したのに、キーボードを弾かされた上に、ベースに回され、結局ギターは1曲しか弾かなかったし、ベースを弾いたあとだったから、ギターに対しては、「もう、んなもん弾けんわ」ってなってました。
「簡単だからこれ弾いてみて」って譜面と、部室のミディアムスケールのベースを渡され、弾き方を教わるわけでもなく、自力で練習したわけで、おそらく弾き方なんてめちゃくちゃだったと思います。しかし、この時点でベースという存在の面白さに気がついたのでした。
時は流れ、大学に入り、本当は軽音楽部に入ろうと思っていたのですが、なんだか気後れして入れずにいた頃、授業で一緒になった人がジャズオーケストラに入ったというので、連れて行ってもらうことに。最終的には半年いたかどうかという、かなり幽霊な部員ではあったのですが、私をベース弾きにしてくれたのがこのジャズオケでした。
このジャズオーケストラでベースと言えばウッドベースで、エレキベースは、そこにたどり着くまでの橋渡し的な存在とされていました。とは言っても、エレキベースのうち、ロングスケールのベースは音階の幅もウッドベースと同じということもあり、エレキベースに慣れるということは、ウッドベースへ一歩一歩近づく方法なのでした。
ここでようやく、ちゃんとベースの弾き方を教えてもらいました。
それまでピックで弾いていましたが、指弾きを習いました。
スケール練習を教えてもらいました。
ジャズのベーシストは左手の親指が決して上や表に出てこないことを教えてもらいました(親指はネックと垂直です)。
運指の作り方も教えてもらいました。
あとは、ブルースのベースラインの作り方も教えてもらいました。
この頃の教えがあって、その後のコピーバンドでもジャズベの弾き方をしてました。
ロックやポップスのベーシストを見ると、左手のポジションが激しく動いていると思います。実はあれって見た目には動いててかっこいいのかも知れませんが、プレイ的には、手を大きく動かしている時間がロスに当たります。ウッドベースはネックを押さえるのも、弦をはじくのも、全てに力が必要でして、そんなに動き回ってたら弾けないので、どうやったら手を動かさずに済むか・・・それを基準に運指を考えます。そうです、水平に動かすのではなく、なるべくポジションは変えず、垂直に動かすのです。手の位置を変えず、弦を変えて弾く・・・それがジャズらしい省エネ奏法です。だからこそ、スケール練習が有効で、どこを押さえてはじくと何の音がするのか身体に叩き込みながら、3音ずつ弾いて、弦を変えて弾いてを繰り返して、4本鳴らしたら、1フレットずらして弾き続けます。手が大きい人なら4音ずつ弾きます。
省エネできる方法を考えて弾くがゆえ、ウッドベースが弾けたり、エレキベースであれば、細かい動き回るベースラインが弾ける道筋が開けるわけです。
短い期間ではありましたが、こうして色々な基礎を教えてくださった先輩方に感謝しています。多分ここで習ってなかったら、その後、米米CLUBやレベッカのコピーはできなかったのではないかと思います。
それでも、ジャズオーケストラでは1曲、ウッドベースを練習して、定期演奏会のステージに立ちました(多分それで燃え尽きました)。
さてさて、こうしてジャズオーケストラで教えてもらったベースの弾き方をすべて体現し、素晴らしいベースを弾く方がいらっしゃいます。
私も一度はジャズベースを志した者なので、憧れのプレイヤーであります。
それが、以前の「ベースを聴くプレイリスト」にもリストアップしていますが、改めまして、Re-Trickの井上亮さんです。
今回この記事を書くに当たって、Twitterで相互フォローして頂いています、Tweetsさんの許可を頂き、その素晴らしいプレイの動画を以下に埋め込みさせていただきます。(許可、ありがとうございます)
3人とも超絶なプレイヤーなんですが、やはりベース贔屓なので(笑)。
音を聴いていると、非常に細かいベースラインなのですが、手元を見ると、想像以上に弦を押さえる手のポジションが動いていないことが分かると思います。そして、左手の4本の指が5本の弦を華麗に移動し、ロスなく、運指が美しくて見入ってしまいます。。。ロスがないからこそ、スケール練習をたくさんされているからこそのプレイだと分かるので、ライブでは1回しか拝見したことがないですが、とても印象に残るライブとなりました。
特に、1stステージの最後の曲、3年ぶりの新曲で「81」というタイトルなのだそうですが、最後のベースソロにはめちゃめちゃ驚きました。本当にすごいお方だと思います。
好きなベーシストはたくさんいるんですが、こういうプレイに憧れています、という話でした。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?