「水は海に向かって流れる」レビュー⚠︎ネタバレ注意⚠︎

ネットで面白い漫画を探していたときにこの漫画に出会うことが出来たのは幸運だった。3巻完結と短いながらも、個人的には最近読んだ漫画の中で1番面白かった。

この作品の魅力はなんといっても読了したあとの清涼感だ。

この物語は主人公である直達が高校進学を機に叔父の家(シェアハウス的な家)に居候するところから始まる。直達はそこに住む25際のOLの榊さんの母親と主人公の父親が過去にw不倫をしており、自分の父親は家庭に戻ってきたが、榊さんの母親は家を出て行ってしまったことを知る。

このあらすじを呼んだだけでドロドロした人間関係が描かれ重たい漫画のように感じるが、本作は一切それを感じさせない。
この物語の山場である直達と榊さんが榊さんの母親に会いに行くシーンなんて、あっさりしすぎていて読んでいるときにとても驚いた。
特に私は直達が榊さんの母親からカツアゲをして、そのお金をそのまま募金箱にぶち込むシーンが好きだ。ここには直達の人柄がとてもよく現れている。

この作品の人物はとても人間味が溢れている。 榊さんの母親なんて非難されるべき人物であるはずなのに、いざ物語に出てくるとどうしても憎むことができない。不倫をしたことに対して開き直るような人物であれば、直達や榊さんも怒ることができたのだろう。

この漫画の作画も読者をストーリーに引き込むのに一役かっているように感じた。素朴な感じの絵と清涼感のあるストーリーが見事にマッチしている。


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