特別研究員奨励費の支給額を見て思ったこと


令和5年度4月より日本学術振興会(以下、学振)の特別研究員DC1(採用期間: R5.4~R8.3)として研究活動をさせていただいております。
4月25日に採用内定通知をいただき、翌日にはKAKENデータベース上に研究プロジェクトが公開されていたわけですが、当然自分の研究に支給された特別研究員奨励費の金額に目が向くわけです。

私は、予算申請時に特別枠(年あたり150万円以下を支給される枠)で申し込んでいましたが、応募額を満額いただくには至らず、減額されていました。特に、支給上限額で申し込めなかった2、3年目は減額が顕著だったのを見るに、予算書には申請上限額でまでぎっちり記入することはやはり大事だと痛感しました。(←当たり前)
ほかの特別研究員の方はというと、減額支給されている方が8程度、満額貰えてる人は1~2割程度といった感じでしょうか?
それでも指導教官曰く「本年度は満額貰えてる方が例年よりも多いんじゃないか?」とのことなので、コロナ明け、大学ファンドの潮流といった追い風が影響してるのかもしれません。
なんと言っても論文掲載や海外渡航の費用もバカになりませんので、昨今の経済情勢を加味した予算申請をするべきでしたね。


ところで、学振応募書類の作成のコツやノウハウについては、然るべき出版物や実際の学振内定者、査読経験者の方々から情報共有がなされている印象を受けますが、片や採用後手続き書類(研究計画調書)に関する手引きはあまり充実していないような気もしています。

大規模な研究室では、申請経験のある周りの人からアドバイスを貰ったり実際の申請資料を開示していただいたりと期待がもてそうですが、地方大学の比較的小規模な研究室ではそうもいきません。研究計画調書も良いサンプル(満額貰えるような素晴らしい予算書)、悪いサンプル(私の書いたような年度を増す毎にスカスカになる予算書)の比較ができると、これから予算獲得を狙う若手研究者の作成する書類のクオリティがより高い水準に達するようになるかもしれません。

とはいっても、予算≒戦闘力といった考え方だけではこの先研究者として生き残れないのも事実です。予算が少なくても真っ当な研究を続けている限り好機に恵まれると考えるように(断じて現実逃避しているのではない)して、研究を本格的に始動させていこうと思います。


それでは、また。


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