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0403「めぐみのバスタオル」

飛行機に乗って東京に向かっているが、日付を飛び越えてしまうので、日記を二日分、いや、三日分書かなくてはならない。4/2ぶんはさっき書いた(先に公開した)から、4/3を書いて、着いたら4/4なので、4/4ぶんも書くのだろう。超面倒くさい。今から書くこれは4/3ぶんだ。

なんで自分はこんなに律儀に日記を書くのか。そしてこれはもはや日記というか1日1文章という苦行になっている。

実は、アメリカの西海岸から日本に飛行機で飛ぶのは8年ぶりくらいで、ちょっとウトウトして起きたらカムチャツカ半島あたりに来ているので、いつもニューヨークと東京を行ったり来たりしている人からすると、近いなーと感じてしまう。

高1のときに、学校の交換留学制度で初めてアメリカ西海岸に行って戻ってきたときの飛行機とか、わりと永遠に感じたもので、当時の感覚だと、飛行機というのは日本とアメリカという異世界を超えるワープホールのようなものだったが、今や、都心から八王子に行くくらいの感覚でニューヨークと東京を行き来している。

もうすぐ飛行機はカムチャツカを超えてオホーツク海に入る。私にとって、「オホーツク」といえば「オホーツクに消ゆ」だ。

ファミコン用のアドベンチャーゲームだ。ドラクエの堀井雄二さんがシナリオをつくっていらっしゃる。北海道を舞台にした連続殺人事件を解決する刑事ものだ。

元々はエニックスのパソコンゲームだったが、なぜかアスキーから出ていた。

堀井雄二さんのドラクエ以前の殺人事件もの
の仕事でいうと「ポートピア連続殺人事件」が有名だが、あとこの「オホーツクに消ゆ」と「軽井沢誘拐案内」が三部作ということになっているが、「軽井沢」はファミコンに移植されていない。

「オホーツク」が発売されたのは小4の時で、「ポートピア」は既にヒットしていた。「オホーツク」は、「ポートピア」と同じコマンド型のアドベンチャーゲームなのだが、もう全然演出のクオリティが違った。

「ポートピア」には音楽がないのに、「オホーツク」は場面によって音楽が変わる。絵も微妙にアニメーションしたりする。

音楽が本当に素晴らしくて、サントラも持っている。北海道に行くと、「オホーツク」の音楽が頭に流れる。

このゲームに受けた影響は本当に大きくて、北海道というものへの憧憬(「オホーツク」に登場する場所に巡礼旅行に行ったこともある)もそうだし、キャバクラとは何か、を小学生なりに理解することもできた(劇中に「ルブラン」というキャバクラが登場する)。

中でも小4の少年にとって衝撃的だったのは、劇中で、屈斜路湖の横にある、和琴温泉で、めぐみさんという女性のキャラクターと会ったときに、「なにかとれ→めぐみのバスタオル」というコマンドを入れて2分何もせずに待つとめぐみさんが脱いでくれる、というエロい裏技だった。めぐみさんは後ろ姿だったが、これは、小4には刺激的すぎて、何度も何度もやった。毎日やった。自分にとっては、これが性というものへの目覚めであり、あの体験があるからこそ今がある。

で、この体験が強烈すぎて、舞台になっていた和琴温泉の共同浴場に行ったこともある。めぐみさんはおらず、全体的にめっちゃ汚かった。正直、今までの人生で体験した温浴施設の中でも一番きつかった。それはそれで甘酸っぱいなにかだった。1つの青春が終わった。

飛行機が北海道に近づいている。


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