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0901「プロンプト・フラワーデザイン」

私が言い出しっぺとして運営している会社・団体であるBASSDRUMは、去年から京都の町屋を借りて京都オフィスにし始めた。「出町ガジェット」という名前で、シェアオフィスやイベントスペースとしての活用も進めようとしている。もう暖簾も出している。

そんなこんなで京都にたくさんの縁ができていて、ちょっと前には、京都の造り酒屋さん主催の集まりにお呼ばれして、いろんな方々をご紹介頂いた。

そこで、フラワーアーティストとして活動されていて、フラワーギフト制作などもされている落合邦子さんと初めてお会いした。近々で妻の誕生日があり、これはご縁だから、誕生日に贈る花を落合さんにつくって頂けないものか、と考えて、恐れ多くもご相談をすることにした。落合さんのウェブサイトはこちら。

で、その場やメールでのやり取りで、お恥ずかしい話、妻が自分にとってどのような存在か、とか、どういったキャラクターの人か、とか、いつもどんな服着てるか、とかそういうような情報を落合さんにインプットして、それをフラワーアレンジメントという形で具現化して頂く、というプロセスが始まった。

もう本当にこっ恥ずかしいのだが、妻について「比較的陰キャというかネガティブというか暗い自分に対して、常に太陽のように照らしてくれる存在」なんていう説明をしちゃったりして、それを料理して頂いた結果、こんな素敵なお花をつくってくださった。なんというか、自分で言葉で感謝を伝える以上に、それを増幅する表現として具現化して頂いて、プロってすげえなあと思った次第だ。

というわけで、それについてはめでたしなのだが、このプロセスは最近流行りのアレにすごい似ているな、と思った。アレ、というのは、いわゆる、MidJourneyとかD-alle2とかStableDiffusionとかの、描きたい内容の説明を書いて送信するとそれをAIが描いてくれて画像にしてくれる仕組みのアレだ。

たとえば、D-alle2に、「A young Japanese man, in cuddly pufferfish-shaped cap with fins and eyes.」を描いてくれ、とお願いする。これは、「ヒレと目がついているかわいいフグの形をしたキャップをかぶっている若い日本人男性」という説明になるが、どういうことかというと、さかなクンの外見的特徴を客観的に記述したものだ。で、この説明で絵を注文すると、こういう絵が出てくる。

AIが描いたさかなクン

こういった説明文(注文フレーズ)を「プロンプト」という。より良いプロンプトを生み出す技術として「プロンプト・エンジニアリング」なんていう言葉もある。

もちろん落合さんの手作業によるアウトプットは、今のところなのか未来永劫なのかわからないが、AIでは再現できないものだが、しかし、特徴やキャラクターを伝えて表現を再構築してもらう、という過程そのものはかなり似通ったところがあるな、と思ってしまって、純粋に、人間やAIの意図の認知の仕組みって面白いなあと思ってしまった。

ちなみに、「世界を照らす太陽のような女性をイメージした花束」=「A flower bundle that illustrates a woman like the sun illuminating the world.」で注文してみたら、こんなのができた。ぜんぜん違う。

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