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大人の教養 地政学 概説

最近、気になる地政学。朝日新聞と週刊ダイヤモンドの「地政学入門」とあわせて、ほぼ大枠を理解できた。こういうのは、出力しておいた方がいいでので、メモ代わりに。

地政学の本質は「国家における大戦略のためのツール」
いま、目の前に起きている国際情勢を、地理と歴史の見識で読み解く学問。
 *こういうの大好き!自分が嫌いな訳が無い(笑)

地政学の発生は19世紀後半。
英国を中心とする帝国主義の「植民地政策」の理論的バックボーンとして発達した。農業を主体に考え軍事力を背景にして、領土を拡大し、自国の市場を確保した政策時代の理論。つまり「領土拡大」の論理である。

重要な学者は4人。
マハン、マッキンダー、スパイクマン、ハウスホーファー、
それに始祖とされるラッツェルを加えて、彼らの著作を読めばほぼ完璧。
できればカプランの「地政学の逆襲」を加えるとなお良し。

1.シーパワー理論:マハン
「海を制する者が世界を制する」海上権力史論
 これが大英帝国の帝国主義のバックボーンになった

2.ランドパワー理論:マッキンダー
「世界は閉鎖された空間になった。
 これからの時代はランドパワー優位の時代になる。
 東欧(ハートランド)を制するものが世界を制する」
このコンセプトが第1次大戦以降の国際連合や第2次大戦の前提となる。

3.生存圏理論:ハウスホーファー
「国家にはそれを支えるエネルギーを得る領域(生存圏)が必要」
「ドイツは極東における日本のように生存圏を拡大すべき」
ヒトラーがこれを愛読、ナチスドイツの東欧侵攻の理論として採用。
日独独裁政治の象徴とされ、戦後両国で地政学は禁忌とされた。

4.リムランド理論:スパイクマン
 「周縁地域(リムランド)が流通の鍵を握る。
 リムランドを制する者が世界の運命を制する」
これは戦後、アメリカがとった大戦略の大本。
西欧・中東・東アジアのチョークポイントである、パナマ運河、ボスポラス海峡、スエズ運河、ホルムズ海峡、津軽海峡、宮古海峡、マラッカ海峡等を流通の要所を抑える理論。

いまなぜ、地政学か?
1.いま、起きている「第3次世界大戦」は
経済と地政学が結びついたジオエコノミクスの視点でしか読み解けない。

第3次世界大戦の特徴
 「非対称の戦争」:第2次大戦の理論では見えてこない
・宗派戦争である
 主権国家の枠が崩壊した、ゲリラ国家集団との闘争である
・ネットによるヒトモノカネが自由に動き回る世界での、
 サイバー戦争である
・経済強制力のもとに段階的に拡大している

2.日本を翻弄する2大国家アメリカと中国が地政学的な理論武装をしてにらみ合っている
アメリカの現代戦略は「リムランド理論」海上航路のチョークポイントを防衛する。一方、中国は「21世紀海上シルクロード」を打ち出し、「新シーパワー理論」で南シナ海に進出。太平洋に進出するための最大の障壁である「日本列島」が邪魔で邪魔でしょうがいない。

3.国際的な新経済領域拡大構想が進展している
ユーロ圏の確立以降、経済自由化領域が最重要の国際課題になっている。
いまや経済領域は、軍事ではなく、政治的連携によって樹立される。
いまや農業主体から商工業やサービス主体になり、領土面積よりも資本・技術・情報・労働力の質と量がその経済圏のバロメーターになった。
自国の生存圏の拡大と言う「21世紀型の生存圏理論」をもとにして、TPPなどが構想されている。

4.富める人と貧しい人の戦争
先進国のこうした「新たな経済領域拡大」に対して、貧しい領土に住む非経済圏人民が、第3次世界大戦を仕掛けてくる可能性が高い。

腑に落ちたのはここら辺です。
地政学が気になってるいる人も多いと思います。
いつか飲みながら話せたらいいですね。

このところ、がっつり勉強できてないので、これは貴重な取りまとめになった。

#地政学 #大人の教養

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