参考2 知恵の本1冊1P 通史で読み解く司馬史観 戦国編「豊臣家の人々」 公家と武家

画像1 公家としての豊臣家は花火のように華々しく打ち上がり、秀吉一代で潰えた。豊臣家によるその政権は奇妙な構造を持つ。長く続いた朝廷から委任された幕府という武家政権ではなく、朝廷内部の関白太政大臣が政権を担った、「武家関白」である。卑賤の出自である秀吉は源氏も平氏も名乗ることができず、征夷大将軍にはなれなかった。故に藤原氏に養子縁組したのだ。それが平清盛以来絶えていた公卿による政権樹立を促した。室町幕府と徳川幕府の狭間に王政復古の種火が隠れている。
画像2 公家と武家という2項の歴史的経緯をまとめてみた。こう俯瞰で眺めると、豊臣秀吉による「武家関白制」に最も近いのは、武家政権を最初に誕生させた平清盛だと考えられる。そしてその二人に共通するのは、世襲の失敗である。「驕れるものの久しからずや」ということだ。

ご愛読いただきありがとうございます。 テーマごとにマガジンにまとめていますので、他の気になる記事も読んでいただければ幸いです。