【パワプロ2022検証】重い球は直球だけなのか?

にじさんじ甲子園で人気の青特「重い球」。「直球にしか効果がない」とよく言われていますが、実際のところどうなのか気になったので少し検証してみました。

最初に結論を書くと、今回検証した範囲では「球種によっては変化球にも効果がある」という結果になりました。

まえがき

にじさんじ甲子園2022、楽しかったですね。なぜオート対戦でこうもアツい試合を生み出せるのか、ライバーの皆さんの運命力には驚かされます。

さて、そのにじさんじ甲子園で毎年猛威を振るっている「重い球」。直球にしか効果がないというコメントが多かったですし、舞元・天開両氏も投手黛灰の強さを語る際に「速球中心だから重い球が効果を発揮しやすい」という分析をしていました。(下記の配信の15:00頃から)

しかし、公式には「球質が重くなり打たれたときに打球が飛びにくくなる」としか書いておらず具体的な効果範囲は謎に包まれています。その点に関しては若女将のはるスポで触れられていました(この切り抜きがきっかけで検証してみようと思いました)。

じゃあ実際のところどうなのか?変化球にも効果はあるのか?というのを実機検証してみた結果が本記事です。試しに少しやってみたら意外と面白い結果になったのでしっかりデータをまとめて公開してみることにしました。

ただ、パワプロガチ勢でもない人間が気まぐれにやった検証なので、結果の信憑性に責任はとりませんのであしからず。

検証方法

同じステータスで能力なし・重い球・怪物球威(重い球の上位金特)の投手を作成しました。

能力なし
重い球
怪物球威

バッターはOBの中島聡氏です。

余計な青特・赤特がなく、ちょうどいい感じの打撃ステータス

以上のメンバーをアレンジチームに入れ、対戦モードで相手CPUをパワフルに設定し、自チームを後攻にします。そして一回表一打席目でど真ん中に投球して一番バッター中島さんにホームランを打たせ、その飛距離を計測していきます。「強振ジャストミート(ガツーン!のエフェクト)」で「引っ張り方向のホームラン」になったもののみ記録します。失投を打たれた場合は除外します。球場はホームランになりやすい「河川敷球場」を使いました(ゆえに風の条件は統一できていません)。

この条件で、3投手の3球種(ストレート・スライダー・フォーク)について各10サンプルずつデータを集めました。変化球の場合も変化量1でど真ん中に投げると割と高い確率で打ってくれるので思ったより検証しやすくはあったのですが、90サンプルで心が折れたので他の球種についてはお預けとします。

追記 (2022/09/06)
他の変化球についても検証しました。

結果

結果をグラフで示します。

各条件の平均飛距離(エラーバーは標準誤差)

まずストレートについては予想通りの結果で、平均飛距離は能力なし>重い球>怪物球威となっています。面白いのは変化球の結果で、スライダーでは飛距離が減少し、フォークでは飛距離の変化が見られませんでした。つまり、単純に解釈すれば「重い球・怪物球威はスライダーには効果あり、フォークには効果なし」という結論になります。

数値データも載せておきます。

計測値のデータ

一応このサイト(https://keisan.casio.jp/exec/user/1489667281)でWelchのt検定を行い、能力なしVS重い球・能力なしVS怪物球威の比較に関して、ストレートとスライダーではp<0.05で統計的有意差あり、フォークでは有意差なし、となるのを確かめました。ただ、データを見るとわかるのですが、特にスライダーの重い球・怪物球威条件で数値のばらつきが大きく、サンプル数を増やさないとまだちょっと怪しいかな、という感じもします(ばらつきが大きくてスライダーの重い球VS怪物球威では有意差が出ませんでした)。

あとがき

今回の検証では、重い球は直球だけでなくスライダーにも効果があるという結論が得られましたが、これは投手黛の強さを裏付ける結果といえます。なんせ彼の決め球は変化量7の高速スライダー。今回検証したのは普通のスライダーですが、おそらく高速スライダーにも重い球の効果が乗っていたのではないでしょうか。他の球種(サークルチェンジとスローカーブ)についてはわかりませんが、凡打を量産した秘訣は速球中心がついたことだけでなく変化球種の選択にもあった可能性があります。

同じく重い球ゴロピ構成で抑えまくったVOX社・サニーの決め球はシンカーとスクリューですが、これらに重い球の効果が乗るかどうかはわかりません。フォークは効かなくてもSFFなら効くんじゃないかなど、他にも気になることは多々ありますがいかんせん膨大な球種を検証するのは大変そうです。検証しきる前にアプデが来そう。

なぜスライダーは効いてフォークは効かないか、その理由も謎です。前書きで紹介した切り抜きのコメント欄には「変化球ごとの元の球質によって効果が違う」という説がありました。パワプロ2020では重い球は「球質が4%アップ」となっていたらしいですが、元々の球質が100であれば4増加し、50であれば2増加することになるので、各球種によって重くなる度合いが変わるわけです。しかし、元の球質の差によってスライダーとフォークの違いが生まれているとすると、能力なし投手が投げた時に球種によって飛距離の差が出ていないとおかしいので、今回の結果と矛盾します。確かに変化球ごとの球質が関係していそうな気はしますが、関係性は単純ではなさそうです。

他には、「重い球は着弾点のボール表示が小さくなり芯を外しやすくする効果がある」という説もありました。スライダーの結果のばらつきを見ると、重い球は打球が芯を食う確率を減らしているというのはありえそうな気もします。ガツーン!のエフェクトが出たらジャストミートしているものだと思っていましたが、重い球があるとそれでも芯を外すことがあるのかもしれません。

最後に、今回の検証はすごく限定的な条件でしかないので、少し条件を変えたら結果も変わってくる可能性が高いです。強振とミート打ちで違う可能性がありますし、投手の球速やバッターのミートパワーによっても変わるかもしれません。掘れば掘るほどまた発見がありそうな気もします。しかし、個人的には今回の分だけでもなかなか面白い結果でした。

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