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日本の水道水塩素って実際どうなのさ

*この記事による健康被害への責任は一切取りません。

ある日、水道設備の解説動画をyoutubeで視聴していました。
「ふ~ん」と思いながら、わからない単語をググっていたのですが、とあるサイトが目に留まります。

「知られざる塩素の害」

ほほう、塩素がはちゃめちゃに有害だと。
他のサイトでは 日本の塩素濃度は世界一 だとか 他国は塩素少なくて安全! だとか書かれてます。

ほんまか??????

WHO:飲料水水質ガイドライン

感染症では役立たずなので此方で役立ってもらいます。
(日本訳:国立保健医療科学院

副生成物による健康リスクは、不十分な消毒に伴うリスクに比べると極めて小さいので、このような副生成物の制御を理由に消毒効果をないがしろにすることは許されない

ヒエッ...

ざっと読んだところ、訳わからん量の細菌・ウイルス・汚染から身を守るためにこの基準守れよー、って内容でした(全603ページ)。
一応、薬品の許容量(ガイドライン値:遊離残留塩素は5mg/L)も人体への影響が出ないラインで決まっています。

・残留塩素の監視により、微生物学的パラメータの測定が必要となる問題の発生を直ちに知ることができる。
・化学的消毒:貯留中や使用時に十分な遊離残留塩素濃度を維持するために、家庭内水処理において適正な用量の塩素を用いることは重要である。

とあるように、割と残留塩素を用いたコントロールは主流のようですね。

次に、日本が塩素入れすぎなのか調べたいのですが、

・推奨残留塩素濃度は 0.2-0.5mg/L (mg/L = ppm)
・汚染が酷かったら2倍程度ぶち込んでね
5mg/Lを超えたら改善勧告だしてね
・水の移動販売は遊離残留濃度が 0.5mg/L 程度になるよう塩素混ぜてね

程度しか書かれてませんので、たぶん安全です。
(東京都:0.1mg/L以上0.4mg/L以下)

ちなみになぜ塩素メインかというと、低コストで大量にできるからだからだそうです。
「旅行者の下痢を防ぐ:いかにして飲料水を安全にするか」(WHO, 2005)という資料も見たのですが、

煮沸しろ
・家庭用漂白剤でもなんでもいいから塩素系ぶち込め(←たぶんキケン)
・濁ってたらヨードチンキ入れろ
・単なる汚れなら濾過しろ

まぁそうだよなって感じでした。

んー、まぁ塩素メインで消毒する理由は何となくわかりました。
でも、本当に日本が一番塩素濃度が高いのでしょうか。

2019 年度国別水道事業研修報告書

衛生系は CDC(アメリカ疾病予防管理センター)だとは思いましたが、英語サイトなのでどこに資料があるかわかりませんでした。

でも、日本各地の水道局レポートが色々ありましたので 拝借。

・日本においては、遊離残留塩素を 0.1mg/L以上と規定されているのに対して、アメリカにおいては上限値 4mg/L が設定されている。
・The Water Research Foundation(WRF)の基準は 遊離残留塩素0.20 ~ 4.0 mg/L

おっと、これは「日本の塩素濃度が最悪だ!」と書いていた諸々のサイトと矛盾しそうな気配です。

しかししかし、とある米国の浄水場は 塩素濃度0.028 mg/L(遊離)というトンデモ浄水を見せています。
ん~~、これはどうやって消毒しているのでしょう。

日本と異なるのは、(以下抜粋)
・虫歯予防のためのフッ素添加
・消毒として次亜塩素酸ナトリウムと共にアンモニアを加えた結合塩素(クロラミン)処理

はい、なんか全容が見えましたね。

どうやら国土の広い米国では、強力だけれど持続力に乏しい遊離塩素が使えず、日本とは違う消毒システムを構築しているようです。また、夏期は細菌の繁殖と硝化作用のリスクがあるらしく、残留塩素(遊離か結合か不明)を4.0mg/L にしているとのこと。

もうわっかんねぇなぁ??

結論

健康志向()の方々が言っている「塩素を少なくしろ!」というのは、WHOのガイドラインからすると汚染リスクが高すぎるのです。
自治体は安全な水を供給するのが仕事であって、安全じゃないけどおいしい水は供給できませんからね。

いや、しかし、「水道水」で検索するとあらゆる化学物質がヒットします。
お前らそんなに不安か。

しかしご安心、WHOガイドライン も 水道法(日本) もあらゆる物質を規制しています。例えば、日本の水銀(+化合物)の許容量は先進国でもトップクラスに厳しく、他国の2~120倍厳格です。

他にも成分がありますが、まぁ一言。


日本の水道水からだけダメージを受ける特異体質の方は海外へどうぞ。

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