夫なのに・・

友人の話であるが面白かったので紹介してみる。
彼は結婚はしたものの子供は作らず共働きでいわゆるDINKsの生活を送っている。年に2〜3回は海外旅行に一緒に行き、月に何度かはゴルフに行き、美味い外食もしょっちゅう食べに行っているし、車も外車を数年毎に買い替えている。話を聞いているとそれはもう今だにラブラブのカップルの様である。嫁さんは料理がとんと苦手であり彼が毎晩晩御飯をこしらえているみたいだ。その彼が転勤で2年程離れて暮らす事になる時(もちろん単身赴任である)に彼女の第一声は「私の晩御飯どうなるのよ?!」であったそうだ。彼は「お前お金持っているから毎日外食でもしろよ」となだめたそうだ。そうその嫁さん家事はとんと苦手ではあるがバリバリのキャリアウーマンで英語も堪能らしく出張でしょっちゅう海外にも行くらしい。一方の彼はバリバリの日本企業でいわゆる次長という肩書らしいのであるが会社の肩書なんて残業代減らしの為のなんちゃって役職名ですわ、ハハハって笑っている。稼ぐ年収も嫁に負けてますからねぇといつも笑って話している。
彼らは新婚当時にいきなり新築マンションを購入して毎年毎年繰り返をして40歳で既にローンも払い終わったそうだ。そんな事出来るのかって感じであったが子供もおらず二馬力でフルに働いていれば簡単に出来るとのことである。これでようやくローンも別途繰り越し返済のお金も貯めないでよくなるし楽になくなるわと話していた。もちろんローンの名義は彼である。

そんな矢先に知り合いの新婚さんが新築でマンションを買ったので遊びに来ないかと言われて二人で遊びに行ったそうだ。そのマンションは駅に直結の大型高層マンションだったらしい。大阪市内までのアクセスの良さと高層から見渡す景色がさぞ良かったのであろう。嫁さんが凄い気にいったみたいな話をしていたらその新婚さんが「このマンション買って引っ越しますか?」「なんでもあと数部屋キャンセルになったかなんかで売れ残っているらしいのでマンションの営業紹介しましょうか?」と余計な事を言ったらしくその言葉を聞いて友人の嫁はテンションが上がり「ちょっと紹介して、話だけでも聞きたい」と即答したらしくマンションの営業を紹介されたらしい。友人の旦那は「せっかくこの前にローン払い終わったのにまた新築マンション買うなんてありえない」と言ったところ、嫁さんから「じゃあ私が買ってローン払うわ」って言われたので、俺より年収の多い嫁がローン払うならまぁいいかとあっさり許可したらしく高層新築マンションを購入することになった。マンションの名義は嫁さんでローンの申請も嫁さんである。

ある時彼がふるさと納税をしたので確定申告に行った際に書類の書き方で「世帯主」って下に書く欄があったのであるが通常だとそこは「本人」とか「主」とか書くのが大体男性は一般的なのであるが、確定申告の書き方を教える人があっさりと「XXさんはそこ世帯員って記入です」と言われたそうである。
そう彼は世帯主でもなく配偶者でもなくマンションの所有者の嫁さんが世帯主で彼は一緒に生活している世帯員という名称であったと初めて発覚したのであった。「俺って世帯員??」なんだこのショッカーの構成員みたいな名称の世帯員って・・
世帯員・世帯員・世帯員、この名称が頭をよぎると俺はヒモかよ!?一応亭主としてなんだか情けなくもあり悲しくなったそうである。さらに選挙の投票券って送付してくるやろあれも俺宛には届けられへんねん。あれは世帯主宛にまとめて送られてくるので嫁の郵便物やねん。嫁から「はい選挙の投票券」って渡されるのもけっこう悲しいもんやでぇ・・家の名義だけで役所から世帯員って呼ばれるだけじゃなくて辱めをこんなに受けるとは思いも思しなかったわ。と

彼は現在、飲み会でのあだ名は「世帯員」って事になっている。
「まぁ世帯員でも構成員でも何でも良いですわ、嫁さん稼いでくれますからねぇー。稼ぐ嫁最高!!」と毎回笑っている。我々に世帯員って呼ばれると「イーイー!!」ってショッカーみたいに毎回乗ってくれるいい奴である。

#MVN

016年09月01日公開:2022年4月24日ShortNote閉鎖につき転載。

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