田中泰延デビューアルバムレビュー。(妄想)

田中泰延デビューアルバムレビュー。
*この記事はまったくの著者の妄想でありご本人及び関係者は一切関係ありません。
なんなら泰延はやすのぶと読んで下さい。

令和2年6月12日、偶然だろうかご本人の初の出版本1周年記念日に併せて田中泰延のデビューアルバムが発売された。ベストセラー「読みたいことを、書けばいい。」の著者、元電通コピーライター、青年失業家、撮影者として写真に関する連載、映画評論、Twitterの住人、桃李と様々な分野で活躍している田中泰延がTwiterで「ブロック」の作詞を投稿し、アレンジ、作曲募集に端を発しての音楽活動を開始する。
募集に応えた応募曲より選ばれた「ブロック」の曲が好評につき限定100枚の自主制作CDを発売するも3秒で売り切れる程の大人気となり、再プレスを望む声も大きかったのではあるが自主制作した業者が倒産につき再プレスが難しいとのことでファンは泣く泣く手に入れられない伝説のCDとなっている。
ちなみにカップリング曲は「指が折れちまうぜ」こちらも「ブロック」に負けず劣らずの聴き応えのある曲となっている。こちらはCDを手に入れられなかったファンの為にYouTubeに上がっているので、見て、聞いて、熱い思い、魂(ソール)を観じて欲しい。既に再生回数は20万回の再生回数を叩き出している。

シングル曲「ブロック」があまりにも好評だったこの状況を見ていた糸井重里氏が「ヤスくん、次はアルバムだね」のTwitterでの一言をきっかけにCD作成のプロジェクトが発足、クラウドファンディングでの支援の目標金額に達成したことによりアルバム制作の運びとなった今作。既にクラウドファンディングの募集は終わっているのであるが支援のリターンは下記の5種類であった。
・アルバムのリターン = 3,000 円
・購入者名のサイン入りアルバム、チェキ付き = 5,000円
・購入者名のサイン入りアルバム、チェキ、BLOCK!!オリジナルTシャツ = 8,000円
・BLOCKオリジナル福袋(購入者名のサイン入りアルバム、チェキ、BLOCK!!オリジナルTシャツ、小瓶詰め金粉、多宝塔、今日は何曜日カレンダー、オリジナルカレースプーン) = 15,000円
・BLOCKオリジナル福袋、ライブ優先入場チケット、ライブ後のミートグリート参加券(鳥貴族又は揚げ物居酒屋にて開催予定)、Twitterアカウント永久未ブロック権   = 100,000円

となかなかファンの心をつかむ充実したリターンとなっていた。
最終的に目標金額8,000,000円のところ10,061,000円と目標金額を大幅にクリアーで達成。意外にも100,000円の高額支援に47名の支援があったのが驚きである。UGと呼ばれるウザガラマー達には田中泰延ご本人とライブ終演後に食事とお酒が飲めるミートグリートと,どんなリプをしてもアカウントがブロックされないTwitterアカウント永久未ブロック権は熱いファンにとってはさぞかし魅力的なリターンだったのであろう。
全作詞は田中泰延ご本人。楽曲に関しては名は公表できないがペンネームで凄いミュージシャンが数名も参加している事だけはお伝えしておく。曲の感じとメロディーで判る人には判るかもしれない。あの人やあの人が参加しているなんてと驚くばかりである。申し訳ないが公表出来ないのは大人の事情として察しして頂ければと思う。

田中泰延デビューアルバム「BLOCK!!」の楽曲タイトルはこちら

BLOCK!!
指が折れちまうぜ
多宝塔を積め
ラッコとカワウソのブルース
シングルモルト
U.G
金を配れ!!
トリキで一番高いもの
真夜中のレンズ
桃李

の全10曲。
アルバム全曲を1曲ずつレビューしていきたいと思う。

「BLOCK!!」
アルバムの最初を飾る曲はやはりシングル曲の「BLOCK!!」である。
シングルオリジナルで発売の際はタイトルが「ブロック」となっていたのであるがアルバム収録にあたりカタカナ表記から英語表記と変更された。ガンガンにディストーションで歪んだギターに荒ぶるドラム、地面をうならすようなベースライン、サビのシャウトとこれぞロックだ。シングル曲とアレンジが若干違っており、サビのBLOCK BLOCKに本アルバム楽曲の提供者の大物ミュージシャンがコーラスで参加してる。表題曲だけにありアルバム全体を位置づけるシングル曲をのっけから聞かせるところにアルバムの存在感を際立たせている。

「指が折れちまうぜ」
2曲目はシングル曲のカップリング曲である。BLOCK!!のカップリング曲のことだけはありBLOCK!!と双璧な意味を成す曲である。不条理な物に戦いを挑むには武器が必要だが、俺様の武器は刃物でも凶器でもなく親指が骨折するまでブロックし続ける事である。平穏な時を得られるまでは繰り返し繰り返し指が折れるまで戦い続けないといけないという、戦い続ける男の強さを感じる曲である。個人的に頭脳警察の「銃をとれ」が脳裏に宿った、まさに令和の「銃をとれ」だと言っても過言ではない。

「多宝塔を積め」
俺に群がるなら多宝塔を積め。段数が上がれば上がるほど得が増える。信じる物は対価を払え。眺めているだけでは何も変わらねぇ。行動するのだ、動くのだ、己自身を高める為に、そんな踏み台に俺はなってやるから深く考えずに多宝塔を積むのだ、その先に新しい未来が見えるというメッセージのロックソング。サビのギターソロは聴き応え満載である。ライブでは首に巻いたタオルで汗を拭い、タオルを振り回している様子が想像できる。

「ラッコとカワウソのブルース」
カワウソが進化したらラッコに替わる。本当なのか冗談なのか微妙なこの事実。油断していると人間なんて簡単に騙されてしまうぜ。ペンギンだって人間だっていう歌詞のnotallの「ペンギン人間」という曲があるぐらである。ラッコやカワウソの存在感とは何なのか。進化するという事はどういうことなのか。それぞれ似て非なる物が進化して生きていくにはお互いを認め合う事でもあるというダブルミーニングの歌詞。シャッフルビートに乗せてのセブンスコードが心地良い。ラッコやカワウソという一見キャッチなワードが散りばめられているが敢えて曲をブルースにしたのが歌詞のダブルミーニングをより深く感じさせる楽曲になっている。個人的にはアルバムで一番好きな曲である。

「シングルモルト」
シャ乱Qの「シングルベッド」からのインスパイアとタイトルはパロディーではないかと思わせるタイトル。孤独な夜と寂しさと哀愁を歌ったバラード曲。
夜の薄暗い照明の灯りのBARでジャケットを羽織ったひとりの男がシングルモルトのハイボールをチェーサー代わりに高いシングルモルトのストレートをワンショットグラスで舐めるように飲む哀愁の漂う姿が目に浮かぶ。去りゆく女、孤独と寂しさを癒やすスコッチウイスキー、シングルモルトを物語のモチーフにしたのはさすがウイスキーを知り尽くしたからこそ描ける世界の曲である。曲調は10ccのI'm Not in Loveぽくもあり哀愁感が全篇に漂っている。

「U.G」
YMOの楽曲にU.Tという曲がありUltra-Terrestrialの略であったがU.Gとはウザガラマーの事である。ウザくリプ返で絡んでくる人達の事であるが彼らはクソリプラーではない。同じリプでも天と地程の差があるのはファンであるならご存じであろう。YMOのU.Tから手法を拝借したこの楽曲。ドラムのリフレーンとエフェクトをかけたボーカルパートにU.Tをまさに彷彿させるアレンジ。ウザガラマーの本質を歌った曲である。

「金を配れ!!」
金に群がる人になるよりも金を配る人になれ。金を貰う人ではなく金を生む人になれ、嫌なことでも金で動かされるようなさもしい考えを持つな。欲しいものはただ一つ金で買えない自分自身の心の思いであり何の価値もない紙切れなんかじゃない。とお金に対する価値を語っていたのだが、後半はやっぱり俺にも金を配れ、少しだけでもお金は必要だ。むしろお金は大好きだ。世の中はやっぱり金だよね。金でなんでも支配してやるぜ、金さえあればなんでも出来るし不満も起こらないという、真実ともどかしさとの葛藤を歌った曲であり、答えがどうしても見つからないとういう、正解が何なのかよく判らないものがお金でありお金は罪深いものであるという本質が語られている曲である。

「トリキで一番高いもの」
一番高いものなのど、この世には存在しない。全ては平等である。幻想に惑わされずに真実を掴めという、タイトルからは思いもよらなかったメッセージソングである。しかしこのタイトルの「トリキで一番高いもの」は実は「天国に一番近い島」の語呂から思いついたらしいのには驚かされた。曲はアルバム全体の中で一番今風である打ち込みによるリズムとベースライン、EDMぽい音の使い方がキャッチーなタイトルにマッチしている。

「真夜中のレンズ」
寝付けない真夜中に趣味のカメラを手に取り触っていると写真を撮る本来の機能よりもカメラの造形にうっとりしてしまい、写真よりもカメラそのものに魅了されていく。今はまったく必要がないのだがこのカメラに合うレンズが気になり夜な夜なネットで確認してはポチってしまう事はカメラ好きなら誰もが体験していることだろう。人の心の中には必要のないものでも手に入れる必要があるのだ。欲望に正直になれ、翌日になっても後悔はするな、あの時あの瞬間に行動した事、心に撮した事が大切なんだと写真とカメラをモチーフにした楽曲。心のカメラに焼き付けるのだ。

「桃李」
絶対的存在、唯一無二の桃李が桃李であり続ける理由(ワケ)、桃李で生まれて生きていく不自由さと喜び。桃李として生きていく宿命、桃李こと泰延。まさに桃李ワールド全開である。哲学的な難解な歌詞ではあるもののアンビエントな音と何度もループするサンプリングによる桃李のフレーズ。70年代のビンテージシンセmoogやOberheimの効果音が幻想的な世界をより深くイメージさせるには十分過ぎる。
手のひらを顎の下に添えてのVポーズの事をファンはヒロポーズと呼んでいるポーズがあるのだが、ライブでは観客は総立ちになりこの曲のエンディングではファンは全員ヒロポーズを取るであろう姿が目に浮かぶ。桃李!!桃李!!桃李!!と鳴り止まぬ歓声とほとばしる汗と感動とともに。ライブ会場は最大のボルテージで終演に向かう様子が目に浮かぶ。

アルバム「BLOCK!!」は令和の時代に新たなロックスターと伝説に残るロックアルバムの誕生である。50歳過ぎでもいきなりロッカーになれる、ロックは若者だけの音楽じゃねぇと満を持して制作されたこのアルバム。各曲にそれぞれインスパイアされたベースはあるものの歌詞に関しては圧倒的な愛しさと、切なさと、心強さと、と篠原涼子の曲のフレーズをまんまパクってしまうぐらい絶妙な深い歌詞の数々。ここにロック詩人の作詞家の誕生でもある。おそらく今後は作詞依頼も殺到するのではないだろうか。歌う姿のマイクパフォーマンスはもちろんの事、マイクを顎に付けての骨伝導シャウトも見られるはずである。来年の音楽フェスにスペシャルゲストとして呼ばれまくることも間違いない。X JapanのXジャンプのようにヒロポーズも間違いなく定着くするであろう。今後のライブ活動も楽しみでしかない。先ずはアルバムを手に取り大ボリュームで聞いてみよう、音楽に励まされ、ニヤっと笑い、胸を打ち、涙する、こんな素晴らしいアルバムに人生ではそうそうお目にかかれない。昨今の厳しい音楽業界の中に差す希望の光だ。アルバム「BLOCK!!」は日本のロックの歴史に残る名アルバムと語り継がれる事であろう。

ここまで読んで下さったみなさんはたぶんこのアルバム聞きたいでしょう!?
ライブ見たいでしょう!?
私も聞きたいし見たいと思っていたら脳内ではぼんやりと曲が鳴り
ライブの様子がイメージされてしまい。
見たい聞きたいを妄想したらこんな事になってしまいました。
楽しんで頂けたら幸いです。くだらないとバカにされるのは普通です。
それでは、妄想の世界が現実になる日を夢見て。
田中泰延さんならロックスターにもなれそうじゃない。
桃李だし。
みんなが大好きな田中泰延さんの新たなご活躍を見届けていきましょう

またねゅ。

2020年06月13日公開:2022年4月24日ShortNote閉鎖につき転載。

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