男性の本当のおしゃれを教えてあげよう

とあるBarで男が語っていた事を話そう
男「男の本当のお洒落って何だと思う?」
女「何かな。いいスーツにピカピカの靴とかかしら?」
男「そんなのは当たり前すぎないかい。それじゃ普通のお洒落さんだろう」
女「ブランドの高級な時計とか」
男「それもありきたりなお洒落だね」
女「じゃあなぁに?」
男「判らないようだね。じゃあ教えてあげよう」
 「本当のお洒落ってのは誰にも気づかれない所に気をかけているのさ」
女「それって」
男「ハンカチさ」
女「何それ、ハンカチって・・」
男「ハンカチを持っているだけじゃないのさ。1ケ月間毎日違うハンカチを持っている男ってのが本当のお洒落なんだよ」「誰に気づかれず気にも留めない様な事にこだわりを持っているってるこそお洒落の王道なのさ。君に判るかな」
女「確かに1ケ月間も毎日違うハンカチを持つ男性はお洒落さんかもね」
男「そうだろう」(ハンカチにくるんだホテルのカードキーを出す)
男「そろそろ行こうか」
女「そうね」
消えてゆく二人。

とここまでは全くの作り話で、実は昔に私がいつかこの様な場面に出くわしたら語ろかうと空想していたことである。ここ数年はまったく止めてしまったのであるが実はハンカチ集めの趣味を持っていた。始めたきっかけは「男性がハンカチを毎日1ケ月間も違うハンカチ持っていたらお洒落なんじゃねぇ」と思ったからだ男性なんて普段はハンカチすら持っていなかったり持っていても何日も同じハンカチだったりとかは世間一般の普通の男性の光景である。
よくドラマとかでこけたりした女性が擦り剥いて血が出ているところにハンカチを差出し大丈夫ですか?みたいな光景に出くわした場合にに凄いおしゃれなハンカチを男性が出せばかっこいいしお洒落なんではと思ったのである。
まぁそんなシーンに人生で出くわす事もないのであるが・・
このお洒落な感覚は誰も気づかないだけに本当にお洒落なんじゃないかと思っていた。
見せびらかすわけでもなくアピールするわけでもないなんてなんてカッコいいんだ。
出しゃばらず、ひけらかさずなんて日本男児の精神、男性の心意気ではないか。
ただ実際問題、ハンカチを買いに百貨店に行くと紳士物のハンカチのつまらならないデザインが多いこと多いこと。それなりのブランドでそれなりの値段もするのだがどれもデザインや色使いが地味でお洒落でないのである。それに比べて女性物のハンカチのカラフルで綺麗でお洒落な物が多い。このあまりの格差は一体何なんだろうと思う。男性のハンカチは今だ市民権を得ていないのかとさえ思ってしまう。それぐらい紳士物のバリエーションの少なさや地味さにはがっかりしてしまった。それならばとカッコよくてお洒落で種類も多い女性ものを買えばいいんじゃないかと思い女性物のハンカチを買う事にした。女性物といっても明らかに花柄やフリフリは避けるのであるがユニセックスみたいな柄が売り場全体の5分の1くらいはある。その中から選ぶだけでも圧倒的に紳士物なんかよりはお洒落なハンカチを選べる。棚に陳列してある多数の女性物のハンカチから使えそうな物を選んでいるのが楽しいこと楽しいこと。男性は知らないと思うがハンカチは季節によって新作が出てくるので、数か月起きに新作のハンカチを百貨店にチェックしに行くのもワクワクしたものである。百貨店も1店舗じゃあきたらず何店舗も周ると各百貨店ごとに傾向があるのでそれもまたそれを発見出来るのもかなり楽しい。ハンカチだと600〜1,800円ぐらいの幅なので1回で2〜3枚買っても全然金銭負担にならない。あっという間にハンカチの所持枚数はどんどん溜まっていくのである。かなり処分もしたが今でも軽く50〜60枚は所持している。
毎日違うハンカチを持っている事が隠れた自己満足と誰かにひけらかすでもない優越感と自慢でありそのハンカチを自ら選んだ女性物のハンカチであるという事がお洒落だと酔えるのでハンカチ集めはかなり楽しい。あとアイロンをする時もカラフルなデザインで楽しい気分になるという発見もあった。ハンカチが女性物なんて世間に知れたら閉鎖的な男性社会ではおかまちゃ認定になりそうですが、持っているハンカチを見て女性物だとは誰も気づきませんね。

女性のみなさん、男性の本物のお洒落さんかどうかはハンカチをチェックすれば判るかもしれませんよ。私はハンカチだけはお洒落さんであるが敢えてそのことをアピールした事はないダサいおじさんです。

2016年03月28日公開:2022年4月24日ShortNote閉鎖につき転載。

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