未来の為の仕事

先に言わせて頂きたいのですが、私はテレビを観る習慣が無いのでドラマなんてもってのほかです。

毎週の楽しみとして観ていたドラマは警察学校のお話で
キスマイがデビューして間もない時に北山と藤ヶ谷が出演していた「ビギナーズ」です。

そんな私が今回観たのは「アンナチュラル」というドラマ
ドラマど素人がが観た感想を勝手に述べるだけの記事になる
その為、異論は認める

※以下、作品のネタバレが塩胡椒のように振りばめられてます
※上記にもあるように異論は認めますのでぜひ考察お聞かせ下さい


『つながっている、生と死』

主人公であるミコト(石原さとみさん)は解剖医という
「死」を扱い、「生」を象徴している

この作品は「生と死」「正義と悪」「過去と未来」のような
対照的なテーマを分断して考えていない
常にそれらは表裏一体で誰もが持ち合わせているもの。
あるきっかけでどちらに転ぶか分からないし、自分の意思で選ぶこともできるという思想が根底にある

もう1人のキーマンとして抑えておきたい人物がいる。
同じく解剖医の中堂(井浦新さん)
ミコトと中堂は対立構造で描かれているが、徐々に仲間となり交わっていく様子、ミコトの思考中に登場するコインが回りながら倒れる音も生と死の構図が表現されている

「対比」と「融合」の描き方が直接的ではないものの
ちゃんと気付かせてくれる。頭が回らない私にすら

1話からミコトはお肉や天丼といった朝から食べるには重いものを食べるシーンが多いが中堂は食事するシーンがない

6話からは、中堂の恋人の事件が動き始め彼の孤独が解消されると、後半ではUDIラボの仲間と食事を共にするシーンがある

食べる事は生きることであり、死者にはできない行為

作品を観る中でゾワゾワしたのが5話の終盤
雪が降りスローモーションに流れてる中で恋人が殺された2人の男にだけ傘がなかった事。
咄嗟に(うわぁ…)と口にしてしまった

雪が積もるってよく、その人が負ってきた悲しい事、行った罪などをかけて使われる事が多い気がする
(雨が降ると私の代わりに泣いてくれてるんだと思ってる事は内緒にしときましょう)

他人の死を求める2人の男と、傘をさす他の人々の対比

鈴木は犯行後何も言葉を発さず、スローで警察に連行されていく中、中堂にも雪が積もっているがミコトが腕をつかみ
止まっていた時間が動くように現実の世界に戻る

「死」を与えるために生きる中堂
「生」を与えるために死と向き合うミコト
ミコトの服についた赤い血、中堂の服に積もってる白い雪
私は震えたね。

魅力的なワードセンス

作品のタイトル「アンナチュラル」は直訳で「不自然」
医学用語にもあるらしいアンナチュラル・デス「不自然死」だが
1話の終盤にあるミコトと中堂のやりとりの中に
「敵はなんだ?」「不条理な死」と言う会話があることで
「不自然死による、不条理な出来事」と辿り着くことができる

各話のタイトルたちも紹介したい

1話「名前のない毒」
2話「死にたがりの手紙」
3話「予定外の証人」
4話「誰がために働く」
5話「死の報復」
6話「友達じゃない」
7話「殺人遊戯」
8話「遥かなる我が家」
9話「敵の姿」
10話「旅の終わり

一件、サッパリとした短い題名ではありますが
各話の事件概要はもちろん、ミコト、中堂、六郎、東海林など
メインで登場するキャラ達の状況にもリンクする言葉選び

仕込まれた言葉のヒントの数々

2話の手紙が切れていて繋げると意味がわかる内容
死にたがりの手紙=助けてのメモ
「ユキオトコノイエ」というメモは「雪男?」凍死にリンクしていたり

木林が務める会社は「フォレスト葬儀社」
「木を隠すなら森の中」のように、毎日たくさんのご遺体の中から、彼が「赤い金魚」に該当するご遺体を複数発見したので、中堂が連続殺人事件を確信することが出来る。

中堂の狂気がゆっくり現れて出てくる5話のメインは降りしきる雪で
恋人の名前も「ゆきこ」

それに生前彼女とのシーンでは、「死ぬなら綺麗なところで…」という話をしていた最中、ゆきこさんの遺体発見場所がスクラップ場
見た瞬間に皮肉なものだと感じました。

1話で恋人の高野島を失った馬場が「こんな事になるなら仕事を優先せずにもっと一緒にいて早く籍を入れたら良かった。一人で死なせることなかったのに」と涙ぐむシーンは、中堂の無念の代弁でもあると感じる。

また主題歌である「Lemon」も中堂のキャラソン?と思うようなぐらい歌詞のリンクがあって作品、関わるものすべてがアンナチュラルの放送だけの為に作られたように感じるものだった。

「Lemon」はただの恋愛ソングではないと初めて感じた
音楽もまた数々の考察や人の想像によって解釈が変わるから猶の事面白い
カラオケで歌う時は魂を込めて歌おうと誓いました。

まだまだたくさんあるんだと思うけどまた1話1話深堀して見れたら良いな
読んでくれた方、たくさんの考察お待ちしております



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