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Apple製品を一人で100台セットアップする羽目になった話

以前、ちょっとだけ端末管理をしていた時代の話です。

iOSのネイティブアプリを作ることになった

 発端はこれです。ネイティブアプリを作ることになって、新規事業立ち上げということでかなり力を入れた動きになっていました。

 それはいいんですけど、事業部門のリーダーが超強引な人で、必要なプロセスとかを全部すっとばして「今すぐやれ、全部やれ」とか来る人で、そのあおりを受けてその案件は強引なルートで持ち込まれました。

「100台のipadと20台のiphoneをなるはやで調達して納品して♪ あ、ちなみにiphoneは、古いバージョンも欲しいので、これとこれよろしく」

 当時端末管理をしていた私。「ひいいいい!!!」と思いながら、端末管理の仕方から検討することになります。
 上司とほとんど会社に来ない幽霊社員の人と3人で。

Apple IDの管理

 法人利用するときに気を付けなければいけないのはApple IDの管理。なんというか、

ひと言でいうと、しちめんどうくさい。

 本来的には法人用の管理アカウントで管理できれば良いのですが、そうすると自由にアプリを入れられなくなるんです。

https://support.apple.com/ja-jp/HT210737

 MDMとかで解決できるんですが、中小の弊社。そんな時間も金もない(遠い目)。

 ちなみにAppleIDを作るためにはメールアドレスが必要ですが、1メールアドレスでまとめて作ると不正利用を疑われてブロックされてしまいます。

 これは考え方として、1人のメールアドレスは1つのApple IDに紐づける必要があるというしごくごもっともな考え方によるもの。となると当然「管理者」という概念が存在して、結局、IT管理者が必要な分のApple IDを作成し、エクセル等で管理するのが現実的となるわけです。

 考え方としてはわかるんですけど、ここの考え方にいきつくまでで1週間。端末の管理体系とか決めて管理シールとか考えて、とりあえず管理のスキームはできたぜ。

中古の端末調達にかけずりまわる

 並行して端末調達に動いていきます。100台のipadは新品なのでよいのですが、問題はiphone。新品だけではなく中古(機種指定)ですって…?

 結局楽天やAmazonさんで探して中古の端末の入手には成功したのですが、問題はアクティベーションです。

 ざっくり書くと、iphoneを起動して使うためには基本的にはSIMが必要です。しかし、今回の場合は、アプリの検証として使いたいのですから、SIMなどいらんのですよね。
 そんなときにはこんなものを使います。

で、ここに書いてあるんですけど、

玄人向けのカスタムパーツとなるため、端末依存のサイズ変更はお客様ご自身でお願いします。バリ取りなどはカッターナイフや紙やすりを利用いただき、お手持ちのトレーにあうように微調整をお願いします。

(販売サイトの説明より)

 このちっちゃいシムをカッターナイフでちまちま切ってはめて、ドキドキしながらアクティベーションして…なんとかつながりました!

 ふう、Google先生で調べてためしにやってみたけどうまくいったぜ。
 図工2だっただから心配だったけど大丈夫だったぜ。

100台のipadと格闘する

 そしてキッティング。本来的には一括キッティングのツールとかいくらでもあるのですが、今回は導入する時間も金もないので、人海戦術と相成りました。

 問題は当時、Wifi環境が執務スペースになかったこと。
 しかたないので、激寒の寒いサーバルームに毎日夕方から閉じこもって作業をすることになります。
 ほら、日中はサポートデスクとかありますからね。

「〇ーさんがーよ〇べーをしてー」
とか歌いたくなりますが、文字通り夜なべ仕事であります。

 台車にipadの箱を積み上げ、5台ずつパッケージを開けて作業していきます。最初に全部開けると作業済かそうでないかがわからなくなっちゃいますからね。箱側にはポストイットをつけ、端末には管理シールを貼りながら作業していきました。
 途中で手がかじかむので、執務スペースに戻っては10分くらい温まって戻ります。

 そしてその日できるところまでやったらお片付け。ほら、サーバルームですからね。管理的にも高価なものを放置は好ましくないので、できた分は翌日朝に宅急便で納品し、残りは執務スペースの鍵付き書棚に保管。

 台車で毎日わっせわっせ。

そんなこんなやっているうちに何とか100台納品までいきつけたのでした。

なんでApple Configurator使わなかったの?

 本来的には正攻法でApple Configuratorを使いたかったんです。でも、別途テストしていた方がはまってしまい、放り出してしまい、さすがにここまで手が出せず。。。
 しょうがないので力技でセットアップすることになったという、情けない経緯であります。

 しかしこういうのを導入するのも情シスの役目とはいえ、なかなかにしんどいお仕事でした。

おまけ:端末レンタルについて

 その後「やってられるか!」となり、次のipad大量購入のときにはレンタルをやりました。こういうのですね。

 学校などの利用も結構あるようです。子どもは乱暴な使い方をしますからね。
 管理性についても、キッティングも頼めますし、故障に対して基本すぐ交換してくれるので、情シス的には大変便利なものです。端末って意外にライフサイクル短いので、この金額なら安いと思う。

そして、一時的な検証用途なら、テストセンターというのもあり。

 こういうのをうまく取り廻すには、リテラシーが不可欠。

端末管理とかをしているとリプレースなども不可欠。情シス、どんな仕事しているの?というイメージを持ちたい人にはこんな本もあります。

おしまい。







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