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前世ってさ

あるんでしょうか。


はじめて来た場所、はじめて会う人
時々デジャヴを感じてしまうことはあります。
けれど、その時に、これって本当にただのデジャヴ?と不思議に思うほど、心がぐらぐらと揺れるシーンを体験してきました。

今までの人生でつらいことってたくさんあったけれど、どこか客観的な目線が、頭の片隅から一緒に事の次第をじっと見ていました。
言葉に表すのは難しいけれど、つらい気持ちと別のところで「大丈夫だよ」と余裕をかましている自分がいました。まだ切り札がとってあるから、と言っているよう。
ただのポジティブシンキングとは違うような、不鮮明な希望に縋っているかのような、不思議な感覚でした。

浪人中のある日、夏期講習を終えて学校の坂道をくだっている時のこと。自転車を押しながら、その日解けなかった有機化学の問題について考えていました。すると突然、頭の中に風が吹き抜けるような感覚がして、思わず「あっ。」と声が出ました。思考がクリアになって、あらゆる時間軸の森羅万象がさらさらと流れ込んでは、ところてんのように出ていきました。その間は数秒で、はっと我に帰ったあと、Kちゃんに会わなきゃ!と思い翻して学校の坂道を登りました。(結局有機化学の問題は解けませんでした、森羅万象、なぜ?)

Kちゃんは違う高校の出身で、浪人生になって知り合った女の子です。この子には前々から不思議な感情を抱いていました。
初めて出会った時、これから1年間よろしくね、と挨拶を交わした時、なぜだか“初めまして”の気持ちにならなかったのです。同じ市内に住んでいるのだし、知らないうちにどこかで会ったことがあるのだろうと当時は思っていました。

けれど、この時は違います。確信を得たような気がして、未だに教室でせっせと自習をしているKちゃんを屋上手前の踊り場に呼びました。
若干パニックになりながらも、不審に思われないように精一杯気を使いながら話しかけました。「すごく変なことを言ってるなって、思うかもしれないんだけどさ、わたし、あなたのこと、どこかで会ったことがあるような気がして、ずっと不思議に感じてたんだ。あなたは、わたしに、何か感じたりしない……?」と。
夏の暑さと浪人のストレスで頭おかしくなったって思われてんのかな…とひやひやしていると、「それって、子供の頃に会ったとか、そういう話?」と聞いてきたので、ちがう、と答えました。もっとこう…なんて言っていいかわかんないんだけど…と冷や汗を流していると、「それ、ちょっとわかるんだよね」とKちゃんが言いました。
「言おうか迷ってたんだけど、わたしもあなたと会ったことがあるって初対面の時に思ったんだ。こういうこと、時々あるんだけどね。多分会ったの今世じゃないよ。もっと前だと思う。」
「スピリチュアルとか信じていない人もいるから、こういう話していいかわかんないんだけど。前世で親しい仲だった人って生まれ変わっても近くにいるんだって。どういう関係だったかは思い出せないけど、やっと会えたんだね。」

それを聞いて、なるほど〜…へえ。。となり、それ以降も普通に友人として仲良く過ごし、晴れて受かった大学に入学すると共に連絡も途絶えました。
その後、彼女のように“前世であったことのある”と思われる人物とはまだ出会えていませんが、きっとこれから出会うのでしょう。

何となく感じていた、この不鮮明な希望が見えてきたような気がします。恐らく、わたしは無意識のうちに、会うべき人物の訪れを待っているのでしょう。今の人生を大きく変えてくれる、助け出してくれる誰かが、今もわたしを探しながら生活しているのだと信じているのです。いつか、わたしがすべてを思い出したのなら、わたしが探しに行きます。それまでは向こうに頼ることしかできませんが…。
もしかすると、ある日突然ぽんっと思い出すかもしれません。夕方、公園の近くをお散歩している時かもしれないし、雨の中コンビニへ向かっている時かもしれないし、いつもの改札を抜けた時かもしれない。今でも時々、その観念に駆られて近いところまでいけている気がします。

いつもその事を考えている時は、心がどきどきして、風景がきらきらして見えて、素敵な気持ちになるので、きっと悪い過去でもないのでしょう。
現在無職なのに、なんとでもなれ!と楽観的なマインドを保てているのはこの希望のおかげですね。かといって、この透明な感情に身を任せすぎて職探しも恋人探しも怠っているのはどうかと思いますが。(戒め)
また、このような感覚が湧いてきて、何か進展があればメモしていきたいと思います。

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