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日記:2023年3月18日

母は病室のベッドに横たわっていた。
思っていたよりも顔色は良い。
まるで寝てるみたい。
口に太い管が入っていろいろな装置がついている以外は。

父があんなふうに母の手や頬に触れるのを初めて見た。
この人は母を本当に愛してるんだな、と改めて思った。
仲はいいけどいちゃいちゃしてるところは見たことがなかった。
いつも母が父を叱り、そんな時父は少し言いたいことがありそうな顔をしていた。
今日の父は違う意味で言いたいことを飲み込んでいるように見えた。

母が倒れたことを親戚周りには伝えなきゃね、って話をしてて、
母の友人関係にも伝えよう、少しでも寂しくないようにしてあげよう、
ということで連絡しようとしたら、父に止められた。
「もうちょい先でええ、そんなんしてたらもうあかんみたいやないか…」

意識はなくとも耳は聞こえてるから、色々話しかけてくださいね。
と看護師さん。
その話はよく聞くし、実際そうらしい。
ただ、そんなときに何を話しかけていいのかわからなくなる。
以前親友が亡くなったときもそうだった。
なんとか振り絞って「ありがとう」とは伝えた。
いくら言うても全然伝えきれない、とは思うんやけども。

もともと予定もあったので一度尼崎に帰る。
次は23日木曜に会いに行く。

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